下咽頭癌に対する喉頭温存手術治療

2005 年 2 月から 2009 年 2 月までの間に東京慈恵会医科大学附属病院耳鼻咽喉科にて下咽頭部分切除術を施行した下咽頭扁平上皮癌 16 例について術後の臨床像、治療成績について検討し、実際の手術症例を提示した。病期分類では stage I : 2 例、II : 4 例、III : 3 例、IV A : 7 例であり、亜部位別では、PS : 7 例、PW : 6 例、PC : 1 例、PS - PC : 2 例であった。手術は全例に腫瘍切除後に遊離皮弁による再建術を施行し、全例、経口摂取、発声可能であった。再発は 5 例に認め、原発巣再発が 1 例、頸部リンパ節再発が 4 例であり、再...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 56; no. Suppl.1; pp. S81 - S88
Main Authors 加藤, 孝邦, 石田, 勝大, 清野, 洋一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 2010
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi.56.S81

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Summary:2005 年 2 月から 2009 年 2 月までの間に東京慈恵会医科大学附属病院耳鼻咽喉科にて下咽頭部分切除術を施行した下咽頭扁平上皮癌 16 例について術後の臨床像、治療成績について検討し、実際の手術症例を提示した。病期分類では stage I : 2 例、II : 4 例、III : 3 例、IV A : 7 例であり、亜部位別では、PS : 7 例、PW : 6 例、PC : 1 例、PS - PC : 2 例であった。手術は全例に腫瘍切除後に遊離皮弁による再建術を施行し、全例、経口摂取、発声可能であった。再発は 5 例に認め、原発巣再発が 1 例、頸部リンパ節再発が 4 例であり、再発治療として化学放射線治療を施行し、2 例は救済不能であった。全体の疾患特異的 2 年生存率は 84%であり、stage IV A症例では 63 %であった。下咽頭癌の喉頭温存治療として部分切除術は、発声・嚥下機能が良好であり、原発再発率 (1/16 例) が低く、一定の生存率を維持していることより、良い治療法の選択肢の一つであると示唆された。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi.56.S81