第13回臨床不整脈研究会 上大静脈内心房筋の解剖学的,電気生理学的検討

近年,上大静脈(SVC)起源のfocal af例が報告され,肺静脈起源の場合と同様に,SVC内心房筋がaf発生源として注目されている.今回我々は,上大静脈心房筋の解剖学的,電気生理学的特徴につき検討した. 対象はカテーテルアブレーションを施行したSVC起源af 2例,および電気生理学的検査を施行した非af例2例(房室ブロック,房室結節内リエントリー性頻拍各1例)である.全例において電極カテーテルを右房(RA)~SVC内に留置し,局所電位を記録するとともに,心腔内超音波(ICE)によりその解剖学的位置を確認した.SVC内電位は全例で記録可能で,その記録上限はSVC-RA接合部より平均4.65cm...

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Published in心臓 Vol. 33; no. Supplement5; pp. 1 - 7
Main Authors 井野, 威, 新, 博次, 遠藤, 康実, 川口, 直美, 田寺, 長, 宮本, 新次郎, 長澤, 紘一, 丸山, 光紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2001
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.33.Supplement5_1

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Summary:近年,上大静脈(SVC)起源のfocal af例が報告され,肺静脈起源の場合と同様に,SVC内心房筋がaf発生源として注目されている.今回我々は,上大静脈心房筋の解剖学的,電気生理学的特徴につき検討した. 対象はカテーテルアブレーションを施行したSVC起源af 2例,および電気生理学的検査を施行した非af例2例(房室ブロック,房室結節内リエントリー性頻拍各1例)である.全例において電極カテーテルを右房(RA)~SVC内に留置し,局所電位を記録するとともに,心腔内超音波(ICE)によりその解剖学的位置を確認した.SVC内電位は全例で記録可能で,その記録上限はSVC-RA接合部より平均4.65cm(3.6~7cm)であった.af例ではSVC distalにても4V以内の出力でペーシング可能であったが,非af例では1例はペーシング不能,他の1例は9V以上の出力を要した.SVC壁厚はafの有無で差を認めなかった.af例の頻拍中SVC電位は,1例はtype1電位,他の1例はtype1とtype2の混在が見られ,いずれもRAへのexit blockが観察され,心房頻拍様体表面心電図を呈した. SVC内心房筋はafの有無にかかわらず存在することが示されたが,af例ではより低出力でSVCペーシングが可能な点が異なった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.33.Supplement5_1