エチレン・酢酸ビニル共重合体膜への硝酸イソソルビドの収着

「緒言」 ニトログリセリン1)やインシュリン2)およびベンゾジアゼピン系薬物3, 4)など多くの医薬品がプラスチック容器中で含量低下を起こすことが報告されており, 注射液と容器との相互作用が臨床上問題となっている5, 6). エチレン酢酸ビニル(EVA)共重合体容器についても, ニトログリセリンやジアゼパムが吸着し, 含量低下を起こすことが知られている7). しかし, そのメカニズムについての報告はみあたらない. 一方, 硝酸イソソルビド(ISDN)注射液は心筋梗塞, 急性心不全, 心臓外科手術時の術中, 術後の管理等に使用される薬剤であり8, 9), 投与量の正確なコントロールが望まれる....

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Published in病院薬学 Vol. 19; no. 5; pp. 423 - 426
Main Authors 高松, 昭司, 河野, 健治, 中島, 新一郎, 小松, 礼佳, 笹原, 一久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療薬学会 1993
日本病院薬学会
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ISSN0389-9098
2185-9477
DOI10.5649/jjphcs1975.19.423

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Summary:「緒言」 ニトログリセリン1)やインシュリン2)およびベンゾジアゼピン系薬物3, 4)など多くの医薬品がプラスチック容器中で含量低下を起こすことが報告されており, 注射液と容器との相互作用が臨床上問題となっている5, 6). エチレン酢酸ビニル(EVA)共重合体容器についても, ニトログリセリンやジアゼパムが吸着し, 含量低下を起こすことが知られている7). しかし, そのメカニズムについての報告はみあたらない. 一方, 硝酸イソソルビド(ISDN)注射液は心筋梗塞, 急性心不全, 心臓外科手術時の術中, 術後の管理等に使用される薬剤であり8, 9), 投与量の正確なコントロールが望まれる. 本研究では, EVA膜とISDNとの相互作用について検討したので報告する. 実験の部 1. 試料 ISDN原末は局方品(日局12)を, ISDN注射液はニトロール注(ISDN 5mg/10ml A, エーザイ)を用いた. 輸液容器は生理食塩液のはいったEVA容器(テルパック, テルモ)を使用した.
ISSN:0389-9098
2185-9477
DOI:10.5649/jjphcs1975.19.423