Hodgkin病17例の臨床的観察

1958年から1988年までの30年間に, 17例のHodgkin病を経験した.年齢は2歳2ヵ月から15歳8ヵ月 (中間値6歳3ヵ月) で, 性比は2 : 1であった.組織型ではmixed cellularityが51%で最も多く, nodular sclerosisは21%に過ぎなかった.初期病期 (病期IAとIIA) と進行病期 (病期IIIA以上とB) とで, 発症から診断までの期間に差はみられなかった.生存曲線は, 診断から2年以降は生存率55.2%でプラトーに達した.1977年以前の不十分な治療によっても, 初期病期の症例の大部分は長期生存しているが, これらの多くは再発を繰り返し,...

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 5; no. 1; pp. 37 - 43
Main Authors 横田, 俊一郎, 賀来, 秀文, 小島, 美由紀, 絹巻, 宏, 別所, 文雄, 太神, 和広, 関根, 百合子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 1991
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.5.37

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Summary:1958年から1988年までの30年間に, 17例のHodgkin病を経験した.年齢は2歳2ヵ月から15歳8ヵ月 (中間値6歳3ヵ月) で, 性比は2 : 1であった.組織型ではmixed cellularityが51%で最も多く, nodular sclerosisは21%に過ぎなかった.初期病期 (病期IAとIIA) と進行病期 (病期IIIA以上とB) とで, 発症から診断までの期間に差はみられなかった.生存曲線は, 診断から2年以降は生存率55.2%でプラトーに達した.1977年以前の不十分な治療によっても, 初期病期の症例の大部分は長期生存しているが, これらの多くは再発を繰り返し, 治療期間も約6年を要した.1977年以降診断の症例では, 1例を除き多剤併用療法単独, あるいはこれと低線量の放射線照射との併用により約2年の治療期間でB病期の症例も含めて再発で生存している.多剤併用療法と低線量放射線照射の併用により, 病理病期の決定は必要なくなる可能性がある.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.5.37