医療事故・刑事制裁のパズルと第三者機関による解決

医療事故が起こった場合, 過剰に警察が医療の現場に介入する現象をここではパズルとしますが, これが大きな社会問題となっています. そもそも, このパズルを生み出したのは, 異状死についての法による過剰な介入が原因です. その結果, ここ数年医療事故への対応として警察による過剰な制裁型のパターンが目立ちます. この制裁型は医療チームの中にも対立を生み, より良い医療安全を構築するのに逆行します. そのため, 真相究明と再発防止に向け医学界が関与するモデル事業が始まりました. 成果はまだ少ないのですが, 医療安全には役立つと認識されつつあります. それを踏まえて, 解決策として医療安全委員会の構想...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 28; no. 7; pp. 963 - 973
Main Author 樋口, 範雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 14.11.2008
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.28.963

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Summary:医療事故が起こった場合, 過剰に警察が医療の現場に介入する現象をここではパズルとしますが, これが大きな社会問題となっています. そもそも, このパズルを生み出したのは, 異状死についての法による過剰な介入が原因です. その結果, ここ数年医療事故への対応として警察による過剰な制裁型のパターンが目立ちます. この制裁型は医療チームの中にも対立を生み, より良い医療安全を構築するのに逆行します. そのため, 真相究明と再発防止に向け医学界が関与するモデル事業が始まりました. 成果はまだ少ないのですが, 医療安全には役立つと認識されつつあります. それを踏まえて, 解決策として医療安全委員会の構想が提案されています. そこでは, 医療者が中心となった安全システムを作ることが重要であり法はそれを支援するというのが大原則です.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.28.963