甲状腺癌と術前に診断された胸腺癌の1例
縦隔内に進展する甲状腺癌と術前に診断された胸腺癌の1例を経験した。症例は61歳男性。6年前からの前頸部腫瘤にて当科を受診となる。MRIにて甲状腺左葉下極を中心に縦隔へ進展する腫瘍を認め,穿刺吸引細胞診では“suggestive of papillary carcinoma”であった。甲状腺乳頭癌の縦隔進展と考え手術を施行した。術後の永久病理診断では,胸腺癌とCarcinoma showing thymus like differentation(CASTLE)両方の可能性があったが,腫瘍と甲状腺の境界が明瞭であることから胸腺癌と診断された。切除断端は陰性のため後治療は行っていないが,現在再発を...
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Published in | 頭頸部外科 Vol. 21; no. 1; pp. 69 - 72 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
2011
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Subjects | |
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ISSN | 1349-581X 1884-474X |
DOI | 10.5106/jjshns.21.69 |
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Summary: | 縦隔内に進展する甲状腺癌と術前に診断された胸腺癌の1例を経験した。症例は61歳男性。6年前からの前頸部腫瘤にて当科を受診となる。MRIにて甲状腺左葉下極を中心に縦隔へ進展する腫瘍を認め,穿刺吸引細胞診では“suggestive of papillary carcinoma”であった。甲状腺乳頭癌の縦隔進展と考え手術を施行した。術後の永久病理診断では,胸腺癌とCarcinoma showing thymus like differentation(CASTLE)両方の可能性があったが,腫瘍と甲状腺の境界が明瞭であることから胸腺癌と診断された。切除断端は陰性のため後治療は行っていないが,現在再発を認めず外来にて経過観察中である。 |
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ISSN: | 1349-581X 1884-474X |
DOI: | 10.5106/jjshns.21.69 |