悪性腫瘍に伴う顆粒球減少時に於ける真菌症のEmpiric therapy: Fluconazoleを用いて
基礎に癌または血液疾患を有する患者の顆粒球減少時に発症した抗生剤不応の感染症に対して, 真菌症を疑い, 封筒法によりFluconazole (FLCZ) の投与を行い, 臨床的検討を行った。評価対象例は, 62例であった。FLCZ投与群は, 37例中27例 (73.0%), 非投与群は, 25例中16例 (64.0%) の有効率であった。 さらに試験開始時と開始1週間後の好中球数別臨床効果では, 試験時好中球数100/μl以下の症例での有効率は, FLCZ投与群25例中18例 (72.0%), 非投与群14例中8例 (57.1%) であり, 前後の好中球数ともに100/μl以下の症例では, 投...
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Published in | The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 47; no. 8; pp. 1065 - 1070 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
1994
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ISSN | 0368-2781 2186-5477 |
DOI | 10.11553/antibiotics1968b.47.1065 |
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Summary: | 基礎に癌または血液疾患を有する患者の顆粒球減少時に発症した抗生剤不応の感染症に対して, 真菌症を疑い, 封筒法によりFluconazole (FLCZ) の投与を行い, 臨床的検討を行った。評価対象例は, 62例であった。FLCZ投与群は, 37例中27例 (73.0%), 非投与群は, 25例中16例 (64.0%) の有効率であった。 さらに試験開始時と開始1週間後の好中球数別臨床効果では, 試験時好中球数100/μl以下の症例での有効率は, FLCZ投与群25例中18例 (72.0%), 非投与群14例中8例 (57.1%) であり, 前後の好中球数ともに100/μl以下の症例では, 投与群14例中9例 (64.3%), 非投与群6例中3 例 (50.0%) であつた。また, 前後の好中数ともに500/μl以下の症例でも, 投与群26例中20例 (76.9%), 非投与群15例中8例 (53.3%) といずれも投与群が高い有効率をしめした。副作用, 臨床検査値異常も重篤なものはなく, 安全性も高く, 顆粒球減少時の深在性真菌症Empidc therapy としてFLCZは有用であると考えられた。 |
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ISSN: | 0368-2781 2186-5477 |
DOI: | 10.11553/antibiotics1968b.47.1065 |