日本版敗血症診療ガイドライン2024
日本集中治療医学会と日本救急医学会は合同で特別委員会を結成し、日本版敗血症診療ガイドライン2024年版(J-SSCG2024)として公表する。今回の改訂により、2012年の初版から数えて3回目の改訂となる。本ガイドラインの目的は、敗血症および敗血症性ショックの診療において、医療従事者が適切な判断を下し、患者の転帰改善につなげるための支援を行うことである。敗血症を認識し初期対応する医師、引き継いで専門家として診療する医師、そして看護師、理学療法士、臨床工学技士、薬剤師など、多職種の医療従事者にとって理解しやすく、使いやすいものを目指した。 J-SSCG2024は、敗血症の診断と感染源のコントロー...
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Published in | 日本集中治療医学会雑誌 p. 2400001 |
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Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本集中治療医学会
25.12.2024
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Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-7988 1882-966X |
DOI | 10.3918/jsicm.2400001 |
Cover
Summary: | 日本集中治療医学会と日本救急医学会は合同で特別委員会を結成し、日本版敗血症診療ガイドライン2024年版(J-SSCG2024)として公表する。今回の改訂により、2012年の初版から数えて3回目の改訂となる。本ガイドラインの目的は、敗血症および敗血症性ショックの診療において、医療従事者が適切な判断を下し、患者の転帰改善につなげるための支援を行うことである。敗血症を認識し初期対応する医師、引き継いで専門家として診療する医師、そして看護師、理学療法士、臨床工学技士、薬剤師など、多職種の医療従事者にとって理解しやすく、使いやすいものを目指した。 J-SSCG2024は、敗血症の診断と感染源のコントロール、抗菌薬治療、初期蘇生・循環作動薬、急性血液浄化、DIC 診断と治療、その他の補助療法、PICS 対策、家族ケア、小児の9領域をカバーし、合計78 個の重要臨床課題を設定した。ガイドラインパネルには両学会から委員21名を任用し、ワーキンググループメンバー107名(医師、看護師、理学療法士、臨床工学技士、薬剤師)のサポートのもとに作成した。将来への発展性を見据えて、多くの若手医療従事者や研究者を含めた。また前回と同様に、中立的立場で領域を横断的に俯瞰するアカデミックガイドライン推進班を構成し、質の担保と作業過程の透明化を目的にパブリックコメントを募集した。作成手法にはGRADE(The Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation)システムを採用し、質の高いガイドラインを目指した。7個のGood practice statement(GPS)と42個のGRADE に基づく推奨を提示した。その他に、Background question(BQ)22個、future research question(FRQ)12個の解説文を付記した。さらにガイドラインの幅広い普及と教育効果の向上を目指し、スマートフォンアプリを開発した。 本ガイドラインは日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載される。日本集中治療医学会と日本救急医学会の精鋭の英知が詰まった本ガイドラインが、より多くの関係者に利用され、評価され、1人でも多くの敗血症患者の転帰改善に繫がることを願っている。 |
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ISSN: | 1340-7988 1882-966X |
DOI: | 10.3918/jsicm.2400001 |