心エコー法の実際 4. 僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症の診断は断層心エコー図のみでは困難であり, ドップラー法が必須である. 特にカラードップラー法では逆流シグナルは容易に検出され, 半定量的な重症度評価も短時間に行うことができる 1). 通常, 僧帽弁閉鎖不全では左房内を3~4分割し, 逆流シグナルの到達距離(範囲)を測定することにより, Sellers分類に準じた評価が行われている(flow mapping). この際, 重要なことはカラードップラー法による到達距離(範囲)による重症度評価は一断面の一時相だけで行うべきではなく, 長軸・短軸・四腔像を基に空間的な広がりで把握すべきであり, さらにカラーMモード図を加えることで,...

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Published in医療 Vol. 45; no. 4; pp. 415 - 418
Main Author 岩瀬, 正嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1991
国立医療学会
Subjects
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.45.415

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Summary:僧帽弁閉鎖不全症の診断は断層心エコー図のみでは困難であり, ドップラー法が必須である. 特にカラードップラー法では逆流シグナルは容易に検出され, 半定量的な重症度評価も短時間に行うことができる 1). 通常, 僧帽弁閉鎖不全では左房内を3~4分割し, 逆流シグナルの到達距離(範囲)を測定することにより, Sellers分類に準じた評価が行われている(flow mapping). この際, 重要なことはカラードップラー法による到達距離(範囲)による重症度評価は一断面の一時相だけで行うべきではなく, 長軸・短軸・四腔像を基に空間的な広がりで把握すべきであり, さらにカラーMモード図を加えることで, 時間的な推移も加えて, 総合的に評価する必要があるということである(Fig.1). カラードップラー法は簡便であるが, このような点に留意して用いないと, しばしば逆流を過大評価することに注意すべきである.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.45.415