可溶化技術を用いた汚泥処理に関する研究展望

下水処理施設から発生する下水汚泥は年々増加の傾向にある。これまで,発生した汚泥は濃縮,脱水さらに焼却工程を経て埋立処分されてきた。しかし,埋立処分場の絶対的不足から,埋立処分の量を減らし下水汚泥を有効利用する気運が高まってきている。下水汚泥を有効利用する方法として,緑農地利用,建設資材化ならびにエネルギー利用などがあげられるが,こうした方法は多くの問題を抱えている。そして何より,こうした方法は下水汚泥を有効利用するだけであって,下水汚泥の発生そのものを削減できるものではない。そこで近年,下水汚泥から資源回収できることに加えて,下水汚泥の発生量を削減できる可溶化技術が注目を集めるようになった。...

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Published in廃棄物学会論文誌 Vol. 19; no. 1; pp. 1 - 8
Main Authors 村上, 定瞭, 関根, 雅彦, 荒金, 光弘, 竹内, 正美, 今井, 剛, 樋口, 隆哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 廃棄物資源循環学会 2008
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ISSN1883-1648
1883-163X
DOI10.3985/jswme.19.1

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Summary:下水処理施設から発生する下水汚泥は年々増加の傾向にある。これまで,発生した汚泥は濃縮,脱水さらに焼却工程を経て埋立処分されてきた。しかし,埋立処分場の絶対的不足から,埋立処分の量を減らし下水汚泥を有効利用する気運が高まってきている。下水汚泥を有効利用する方法として,緑農地利用,建設資材化ならびにエネルギー利用などがあげられるが,こうした方法は多くの問題を抱えている。そして何より,こうした方法は下水汚泥を有効利用するだけであって,下水汚泥の発生そのものを削減できるものではない。そこで近年,下水汚泥から資源回収できることに加えて,下水汚泥の発生量を削減できる可溶化技術が注目を集めるようになった。 本稿では,従来用いられてきた汚泥処理法について触れ,下水汚泥を化学的,生物学的あるいは物理学的に可溶化できる技術をそれぞれ紹介した。さらに,可溶化技術の今後の課題ならびにそれを用いた汚泥処理に関する研究展望について述べた。
ISSN:1883-1648
1883-163X
DOI:10.3985/jswme.19.1