広頸筋皮弁により再建した頰粘膜癌の1例

近年,遊離組織移植による頭頸部癌切除後の再建手術は一般化し,安定した術式として施行可能となりつつある。しかし,血管吻合にある程度の時間を要するため,高齢者や合併症を有する症例などで長時間の手術が困難な場合には,代替となる再建術式が必要となる。今回,口角にかかる頰粘膜癌(T2N0,Squamous cell carcinoma)の症例に対して,心臓合併症のため長時間手術によるリスクがあると判断し,腫瘍切除後に広頸筋皮弁により再建術を施行した。周術期心血管イベントもなく,術後経過も良好であった。切除に伴い口角が欠損したが口角形成術を併施し美容的,機能的にも良好であった。頰粘膜癌の再建に広頸筋皮弁は...

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Published in頭頸部外科 Vol. 22; no. 2; pp. 187 - 192
Main Authors 齋藤, 大輔, 今井, 隆之, 西條, 茂, 松浦, 一登, 田畑, 貴久, 嵯峨井, 俊, 浅田, 行紀, 貞安, 令
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2012
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.22.187

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Summary:近年,遊離組織移植による頭頸部癌切除後の再建手術は一般化し,安定した術式として施行可能となりつつある。しかし,血管吻合にある程度の時間を要するため,高齢者や合併症を有する症例などで長時間の手術が困難な場合には,代替となる再建術式が必要となる。今回,口角にかかる頰粘膜癌(T2N0,Squamous cell carcinoma)の症例に対して,心臓合併症のため長時間手術によるリスクがあると判断し,腫瘍切除後に広頸筋皮弁により再建術を施行した。周術期心血管イベントもなく,術後経過も良好であった。切除に伴い口角が欠損したが口角形成術を併施し美容的,機能的にも良好であった。頰粘膜癌の再建に広頸筋皮弁は有効な術式であると考えられた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.22.187