水月湖コア試料に含まれるテフラ層の対比から推定される三瓶火山噴出物の化学的変動
三瓶火山から噴出した三瓶小屋原テフラに対比された水月湖コア中のテフラ層に関して,給源火山近傍で採取された三瓶小屋原テフラおよび大山鴨ヶ丘テフラ試料の岩石学的特性と,三瓶小屋原テフラ中の火山ガラスの化学組成に基づき対比を行った。水月湖コア試料の岩石学的・化学的特性は,このテフラ試料が大山鴨ヶ丘テフラに対比されることを示唆するものであった。大山鴨ヶ丘テフラは噴出量が僅かなため,水月湖まで達することができたかどうかは疑問である。そのような問題はあるものの,同時期に噴出した他の大山テフラは発見されておらず,また先行研究で示されたこの水月湖テフラの層厚が非常に薄いことを考慮すると,このテフラ試料がごく僅...
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          | Published in | 地学雑誌 Vol. 130; no. 3; pp. 429 - 443 | 
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| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            公益社団法人 東京地学協会
    
        25.06.2021
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| Subjects | |
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| ISSN | 0022-135X 1884-0884  | 
| DOI | 10.5026/jgeography.130.429 | 
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| Summary: | 三瓶火山から噴出した三瓶小屋原テフラに対比された水月湖コア中のテフラ層に関して,給源火山近傍で採取された三瓶小屋原テフラおよび大山鴨ヶ丘テフラ試料の岩石学的特性と,三瓶小屋原テフラ中の火山ガラスの化学組成に基づき対比を行った。水月湖コア試料の岩石学的・化学的特性は,このテフラ試料が大山鴨ヶ丘テフラに対比されることを示唆するものであった。大山鴨ヶ丘テフラは噴出量が僅かなため,水月湖まで達することができたかどうかは疑問である。そのような問題はあるものの,同時期に噴出した他の大山テフラは発見されておらず,また先行研究で示されたこの水月湖テフラの層厚が非常に薄いことを考慮すると,このテフラ試料がごく僅かながら水月湖まで到達することができた大山鴨ヶ丘テフラである可能性がある。給源火山近傍で採取された三瓶小屋原テフラ試料と,三瓶火山を給源とするテフラに対比された水月湖コア試料の火山ガラスの元素濃度パターンから,三瓶火山のマグマの化学組成が,ステージII(三瓶小屋原テフラ)とステージIV(三瓶浮布テフラ)の間に,ステージIIIの遷移的アダカイト質(三瓶池田テフラ)を経由して非アダカイト質からアダカイト質へと変化したことが示唆された。 | 
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| ISSN: | 0022-135X 1884-0884  | 
| DOI: | 10.5026/jgeography.130.429 |