I.StageII,III大腸癌に対する術後補助化学療法
進行度II,III大腸癌症例の術後成績は良好であるが,いったん再発するとその治療は困難である.術後補助化学療法は治癒切除術後症例の治癒を目指す治療で,欧米や本邦から多くのエビデンスが報告されている.欧米のガイドラインでは進行度III症例にオキサリプラチン(l-OHP)を併用した化学療法を第一に推奨している.また,再発高危険因子を有する進行度II症例に対しても化学療法を行うことを示唆している.欧米のl-OHP併用化学療法の成績は,本邦の併用しない治療成績とほぼ同等である.本邦の手術成績は良好である.国内でも世界標準の治療法は保険の範囲内で施行可能となっている.しかし,l-OHPは高頻度に有害事象...
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Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 67; no. 10; pp. 869 - 876 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大腸肛門病学会
2014
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Subjects | |
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ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
DOI | 10.3862/jcoloproctology.67.869 |
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Summary: | 進行度II,III大腸癌症例の術後成績は良好であるが,いったん再発するとその治療は困難である.術後補助化学療法は治癒切除術後症例の治癒を目指す治療で,欧米や本邦から多くのエビデンスが報告されている.欧米のガイドラインでは進行度III症例にオキサリプラチン(l-OHP)を併用した化学療法を第一に推奨している.また,再発高危険因子を有する進行度II症例に対しても化学療法を行うことを示唆している.欧米のl-OHP併用化学療法の成績は,本邦の併用しない治療成績とほぼ同等である.本邦の手術成績は良好である.国内でも世界標準の治療法は保険の範囲内で施行可能となっている.しかし,l-OHPは高頻度に有害事象が発生するため,本邦の新たなエビデンスを念頭に,症例ごとに適切なレジメンを選択することが大切である. |
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ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
DOI: | 10.3862/jcoloproctology.67.869 |