近年の臨床研究法および倫理指針改正に対応したより良き臨床研究の推進に向けて

臨床研究法,人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針は,近年,個人情報保護法の改正を受けて,改正が重ねられてきた。診療情報を研究に用いる際の管理に対して個人情報保護法が直接に適用される一方,患者個人の同意を得ることなくデータを研究に利用するための条件も整備されてきた。この背景には,研究で得られたデータや試料を別の研究に二次利用したり,第三者と共有したりする機会が増えているといったことがある。また,適応外の医薬品等についての研究は一定の条件のもとで特定臨床研究から除外される一方,これまで観察研究として行われていたものが研究目的の検査の患者負担が大きい場合に臨床研究法が適用されるなどの改...

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Published in日本歯科医学会連合雑誌 p. 25-001
Main Author 栗原 千絵子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本歯科医学会連合 2025
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ISSN2758-2396
2758-2388
DOI10.57468/jjdsf.25-001

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Summary:臨床研究法,人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針は,近年,個人情報保護法の改正を受けて,改正が重ねられてきた。診療情報を研究に用いる際の管理に対して個人情報保護法が直接に適用される一方,患者個人の同意を得ることなくデータを研究に利用するための条件も整備されてきた。この背景には,研究で得られたデータや試料を別の研究に二次利用したり,第三者と共有したりする機会が増えているといったことがある。また,適応外の医薬品等についての研究は一定の条件のもとで特定臨床研究から除外される一方,これまで観察研究として行われていたものが研究目的の検査の患者負担が大きい場合に臨床研究法が適用されるなどの改正が行われている。本稿では,これらの研究規制の最新情報について概説する。
ISSN:2758-2396
2758-2388
DOI:10.57468/jjdsf.25-001