ヒトパピローマウイルス (HPV) 感染が原因と思われる aggressive papilloma および上皮内癌の1例 分子生物学的研究

ヒトパピローマウイルス (HPV) はDNA塩基配列の違いにより70型以上に分類されており, なかでもHPV16と18は主に子宮頚癌で高頻度に検出されるため高リスク型と考えられている。今回われわれは, 高リスク型HPV感染が原因と考えられた, 同一患者の口腔粘膜に発生した aggressive papilloma および上皮内癌の1例を経験したので報告する。 分子生物学的検索を行うため両者のパラフィン包埋切片よりDNAを抽出し, 高リスク型を増幅するコンセンサスプライマーを合成しPCRならびにサザンハイブリダイゼーションを行った。その結果, aggressive papilloma および上皮...

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Published in日本口腔粘膜学会雑誌 Vol. 4; no. 2; pp. 109 - 114
Main Authors 森田, 章介, 杉立, 光史, 覚道, 健治, 中嶋, 正博, 大西, 祐一, 濱本, 和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔内科学会 20.12.1998
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ISSN1341-7983
1884-1473
DOI10.6014/jjomm1995.4.109

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Summary:ヒトパピローマウイルス (HPV) はDNA塩基配列の違いにより70型以上に分類されており, なかでもHPV16と18は主に子宮頚癌で高頻度に検出されるため高リスク型と考えられている。今回われわれは, 高リスク型HPV感染が原因と考えられた, 同一患者の口腔粘膜に発生した aggressive papilloma および上皮内癌の1例を経験したので報告する。 分子生物学的検索を行うため両者のパラフィン包埋切片よりDNAを抽出し, 高リスク型を増幅するコンセンサスプライマーを合成しPCRならびにサザンハイブリダイゼーションを行った。その結果, aggressive papilloma および上皮内癌の両標本ともに高リスク型HPVが検出された。このことから本症例の発症に高リスク型HPV感染が関与していることが示唆された。
ISSN:1341-7983
1884-1473
DOI:10.6014/jjomm1995.4.109