ゲノタイプ3a型のC型急性肝炎の1例―IL28B遺伝子からの考察
症例は51歳,男性.タイに仕事で出張中に現地女性と性交渉を行った.帰国後,発熱,黄疸,腹部膨満を主訴に近医受診.肝機能障害,腹水貯留を指摘され,急性肝炎の診断で入院となった.HCV抗体陽性,HCV RNA陽性および他のウイルスマーカー陰性よりC型急性肝炎と診断した.HCVゲノタイプ3a,IL28B遺伝子多型(rs8099917)メジャーアリル(TT)であり,HCVの自然排除およびIFNの高い治療効果が期待された.しかし,その後HCVは自然排除されず,持続感染を認めたが,PEG-IFNα2b/RBVの24週投与にてSVRを達成した.IL28B遺伝子多型の測定はC型急性肝炎の治療方針の決定において...
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Published in | 肝臓 Vol. 54; no. 2; pp. 120 - 127 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
2013
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Subjects | |
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ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.54.120 |
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Summary: | 症例は51歳,男性.タイに仕事で出張中に現地女性と性交渉を行った.帰国後,発熱,黄疸,腹部膨満を主訴に近医受診.肝機能障害,腹水貯留を指摘され,急性肝炎の診断で入院となった.HCV抗体陽性,HCV RNA陽性および他のウイルスマーカー陰性よりC型急性肝炎と診断した.HCVゲノタイプ3a,IL28B遺伝子多型(rs8099917)メジャーアリル(TT)であり,HCVの自然排除およびIFNの高い治療効果が期待された.しかし,その後HCVは自然排除されず,持続感染を認めたが,PEG-IFNα2b/RBVの24週投与にてSVRを達成した.IL28B遺伝子多型の測定はC型急性肝炎の治療方針の決定において有用となる可能性があるが,ゲノタイプ3型における測定の意義については今後の症例の蓄積と検討が必要と考えられた. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.54.120 |