乳癌と胃癌を合併した多発性筋炎の1例

今回われわれは乳癌と胃癌を合併した多発性筋炎の1例を経験したので報告する.症例は61歳女性.2010年6月より四肢脱力感,8月より労作時呼吸苦が出現し,近医にて高クレアチンキナーゼ(CK)血症を指摘され,多発性筋炎の診断にて当院神経内科に入院した.精査にて右乳癌と早期胃癌が認められた.ステロイドパルス療法を施行した後,乳房部分切除および腋窩郭清・腹腔鏡補助下幽門側胃切除+D1郭清を施行したのち,温存乳房へ放射線照射を行った.術後経過は概ね良好でCKも174まで低下した.多発性筋炎の増悪も無く現在ステロイドを漸減中である. 多発性筋炎に合併する悪性腫瘍の割合は約3~15%と言われているが,重複癌...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 5; pp. 1307 - 1310
Main Authors 細田, 充主, 本間, 重紀, 高橋, 弘昌, 山本, 貢, 高橋, 典彦, 田口, 和典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.73.1307

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Summary:今回われわれは乳癌と胃癌を合併した多発性筋炎の1例を経験したので報告する.症例は61歳女性.2010年6月より四肢脱力感,8月より労作時呼吸苦が出現し,近医にて高クレアチンキナーゼ(CK)血症を指摘され,多発性筋炎の診断にて当院神経内科に入院した.精査にて右乳癌と早期胃癌が認められた.ステロイドパルス療法を施行した後,乳房部分切除および腋窩郭清・腹腔鏡補助下幽門側胃切除+D1郭清を施行したのち,温存乳房へ放射線照射を行った.術後経過は概ね良好でCKも174まで低下した.多発性筋炎の増悪も無く現在ステロイドを漸減中である. 多発性筋炎に合併する悪性腫瘍の割合は約3~15%と言われているが,重複癌の合併は非常に稀である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.1307