横隔膜上憩室を伴った食道アカラシアの1例

症例は63歳,男性.2002年に食道アカラシアと診断され他院にてバルーン拡張術で経過観察されていた.2009年11月経口摂取困難の増悪および1カ月で5kgの体重減少を認め,当科紹介となった.精査にて食道アカラシア(Sigmoid type,Grade II),Zenker憩室,横隔膜上憩室の診断で,Hand-assisted laparoscopic surgeryにてアカラシア手術(Heller-Dor法)と横隔膜上憩室切除術を施行した.Zenker憩室は症状を認めないため経過観察とした.術後合併症なく退院し,術後2年経過し,全粥摂取可能な状態である.食道アカラシアと横隔膜上憩室を同時に手術...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 6; pp. 1386 - 1391
Main Authors 田中, 寿明, 白水, 和雄, 西村, 光平, 日野, 東洋, 藤田, 博正, 的野, 吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.73.1386

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Summary:症例は63歳,男性.2002年に食道アカラシアと診断され他院にてバルーン拡張術で経過観察されていた.2009年11月経口摂取困難の増悪および1カ月で5kgの体重減少を認め,当科紹介となった.精査にて食道アカラシア(Sigmoid type,Grade II),Zenker憩室,横隔膜上憩室の診断で,Hand-assisted laparoscopic surgeryにてアカラシア手術(Heller-Dor法)と横隔膜上憩室切除術を施行した.Zenker憩室は症状を認めないため経過観察とした.術後合併症なく退院し,術後2年経過し,全粥摂取可能な状態である.食道アカラシアと横隔膜上憩室を同時に手術した報告は少ない.われわれはSigmoid typeの食道アカラシアと横隔膜上憩室を同時に手術した1例を経験したので,文献的考察を含めて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.1386