PCR-マイクロサテライト不安定アッセイ (MIA) を用いた慢性骨髄性白血病の急性転化における遺伝子の不安定性の解析

「緒言」白血病は癌と同じく多段階的な遺伝子変異に起因する疾患である1-3). 癌や白血病の特性は変異率が高く多様化に進展しやすく, 遺伝子変異が蓄積し, より増殖能の高い転移するphenotypeが生じてくる. 近年, 遺伝性非ポリポーシス結腸 直腸癌(HNPCC)において, 癌における単純な繰り返し配列の変化が報告された4~6). この変化は癌における遺伝子の不安定性(genomic instability)を示し, 特にHNPCCの遺伝的素因と関連は深く, DNA複製 修復の障害を反映している. HNPCCやHNPCCに関連した癌をはじめ他の多くの癌において遺伝子の不安定性は検討されている...

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Published in生物物理化学 Vol. 39; no. 1; pp. 19 - 23
Main Authors 内田, 豊昭, 大谷, 英樹, 和田, 知益, 塩谷, 茂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本電気泳動学会 15.02.1995
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ISSN0031-9082
1349-9785
DOI10.2198/sbk.39.19

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Summary:「緒言」白血病は癌と同じく多段階的な遺伝子変異に起因する疾患である1-3). 癌や白血病の特性は変異率が高く多様化に進展しやすく, 遺伝子変異が蓄積し, より増殖能の高い転移するphenotypeが生じてくる. 近年, 遺伝性非ポリポーシス結腸 直腸癌(HNPCC)において, 癌における単純な繰り返し配列の変化が報告された4~6). この変化は癌における遺伝子の不安定性(genomic instability)を示し, 特にHNPCCの遺伝的素因と関連は深く, DNA複製 修復の障害を反映している. HNPCCやHNPCCに関連した癌をはじめ他の多くの癌において遺伝子の不安定性は検討されているが4-12), 白血病の遺伝子の不安定性についての解析は未だ報告をみない. そこで, われわれは, PCR-マイクロサテライト不安定性アッセイ(MIA, microsatellite instability assay)を用いた慢性骨髄性白血病(CML)の急性転化への進展における遺伝子の不安定性を検討した.
ISSN:0031-9082
1349-9785
DOI:10.2198/sbk.39.19