腎移植後のBKV腎症と尿中mi RNAを用いた診断の検討

BKウイルス関連腎炎(BKVAN)は腎移植患者においてグラフトロスの重要な原因である。腎移植患者の尿中miRNA(bkv-miR-B1-3p、bkv-miR-B1-5p)を測定することにより、BKウィルス腎症の診断を早期に診断できるかを検討した。2020年11月1日より2022年12月31日まで検体採取に承諾が得られた44例について検討を行った。デコイ陽性群14例、また移植腎生検(Polyoma virus陽性)を認めた症例は4例であった。BKV感染群と非感染群とでは年齢、男女比、ABO血型不適合、CNIの種類に差はなかった。拒絶反応の治療歴に有意差を認めた。BKV群で1、2年後の腎機能が有意...

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Published in移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s387_1
Main Authors 石井, 保夫, 横山, 卓剛, 三木, 克幸, 中村, 有紀, 丸井, 祐二, 力石, 辰也, 神家満, 学
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2024
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.59.Supplement_s387_1

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Summary:BKウイルス関連腎炎(BKVAN)は腎移植患者においてグラフトロスの重要な原因である。腎移植患者の尿中miRNA(bkv-miR-B1-3p、bkv-miR-B1-5p)を測定することにより、BKウィルス腎症の診断を早期に診断できるかを検討した。2020年11月1日より2022年12月31日まで検体採取に承諾が得られた44例について検討を行った。デコイ陽性群14例、また移植腎生検(Polyoma virus陽性)を認めた症例は4例であった。BKV感染群と非感染群とでは年齢、男女比、ABO血型不適合、CNIの種類に差はなかった。拒絶反応の治療歴に有意差を認めた。BKV群で1、2年後の腎機能が有意差をもって低かった。また尿中bkv-miR-B1-3p、bkv-miR-B1-5pの測定については、コントロール群2例、デコイ陽性群(1例)、BKV群(4例)でPCRによる検出を行い、Ct値の比較によってmiRNA発現量を検討した。Ct値はBKV群で低い、すなわち発現が高い傾向が見られ、bkv-miR-B1-3pとbkv-miR-B1-5pの両方の発現量が、BKV群において、他の2群に比べて有意に高かった。このことから、BKV感染症の発症にbkv-miR-B1-3pとbkv-miR-B1-5pが関与しており早期診断への有用性が示唆された。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.59.Supplement_s387_1