7.2.4 重イオンによる核破砕反応生成物の測定

高エネルギー荷電粒子の核破砕反応による核種生成断面積の系統的な実験データを取得するための照射実験が様々なエネルギーの陽子からArに至る重イオンビームを用いて行われた。照射実験では銅ターゲット中に様々な試料を挿入して生成放射性核種をGe検出器で測定した。得られた結果より,高エネルギー荷電粒子入射によって生成する核種の生成断面積及び誘導放射能のターゲット内分布はターゲット核と生成核種との質量数差に大きく依存すること,プロジェクタイルフラグメントの生成によって特徴的な放射能分布をもつことがわかった。本研究で得られた成果は高エネルギー重イオン加速器施設の安全設計や高エネルギー重イオン核反応計算コードの...

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Published inRADIOISOTOPES Vol. 68; no. 8; pp. 567 - 573
Main Authors 八島, 浩, 中村, 尚司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本アイソトープ協会 15.08.2019
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ISSN0033-8303
1884-4111
DOI10.3769/radioisotopes.68.567

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Summary:高エネルギー荷電粒子の核破砕反応による核種生成断面積の系統的な実験データを取得するための照射実験が様々なエネルギーの陽子からArに至る重イオンビームを用いて行われた。照射実験では銅ターゲット中に様々な試料を挿入して生成放射性核種をGe検出器で測定した。得られた結果より,高エネルギー荷電粒子入射によって生成する核種の生成断面積及び誘導放射能のターゲット内分布はターゲット核と生成核種との質量数差に大きく依存すること,プロジェクタイルフラグメントの生成によって特徴的な放射能分布をもつことがわかった。本研究で得られた成果は高エネルギー重イオン加速器施設の安全設計や高エネルギー重イオン核反応計算コードのベンチマークデータなど重イオンビーム放射線科学分野の進展に貢献している。
ISSN:0033-8303
1884-4111
DOI:10.3769/radioisotopes.68.567