新規肺移植実施施設における肺移植後慢性期管理の経験

背景:中部地方には長らく肺移植実施施設がなかったが、藤田医大に続き2023年3月に名古屋大学が肺移植実施施設となった。目的:新規肺移植実施施設の視点から肺移植後慢性期患者の管理について検討する。方法:肺移植非実施施設から、新規肺移植実施施設の申請、そして承認にいたる中で経験したことを基に、肺移植後慢性期患者の管理について、新規肺移植実施施設の立場から検討する。結果:2019年9月、名大病院で管理していた肺移植術の慢性期患者は4名で、全例、当院から肺移植実施施設に紹介し肺移植を受けた患者であった。その後、術後患者の紹介を受け入れ、肺移植実施施設としての申請を行うと決断した2021年4月には、その...

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Published in移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s171_2
Main Authors 川角, 佑太, 中村, 彰太, 仲西, 慶太, 野亦, 悠史, 渡邉, 裕樹, 水野, 鉄也, 加藤, 毅人, 芳川, 豊史, 今村, 由人, 黄, 桁, 岡戸, 翔嗣, 門松, 由佳, 上野, 陽史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2024
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.59.Supplement_s171_2

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Summary:背景:中部地方には長らく肺移植実施施設がなかったが、藤田医大に続き2023年3月に名古屋大学が肺移植実施施設となった。目的:新規肺移植実施施設の視点から肺移植後慢性期患者の管理について検討する。方法:肺移植非実施施設から、新規肺移植実施施設の申請、そして承認にいたる中で経験したことを基に、肺移植後慢性期患者の管理について、新規肺移植実施施設の立場から検討する。結果:2019年9月、名大病院で管理していた肺移植術の慢性期患者は4名で、全例、当院から肺移植実施施設に紹介し肺移植を受けた患者であった。その後、術後患者の紹介を受け入れ、肺移植実施施設としての申請を行うと決断した2021年4月には、その数は9名となった。2022年1月に申請を行い、2023年3月に肺移植実施施設として認定され、同年8月より脳死肺移植登録のための評価入院を開始し、2024年5月現在、10名の脳死肺移植登録を完了した。これまでに、のべ19名の肺移植術後患者の管理を行ったが、2名の死亡を経験した。死因は、CLAD1名、感染症1名であり、名大病院で最期を看取った。現在、HOTが必要なCLADを2名に認め、名大病院での入退院を繰り返しているが、移植を行った施設に連絡をとりながら管理している。他に、小児症例の管理、種々の合併症の管理や生体腎移植の施行なども経験した。結論:名古屋大学では、今後も、慢性期管理を通して、肺移植の経験をサステイナブルに積んでいく方針である。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.59.Supplement_s171_2