膵島移植発展への課題とソリューション
【緒言】膵島移植は保険診療化となり、重症糖尿病の治療オプションとしての発展が期待されているが、発展に向けた課題が明らかになってきている。課題と解決に向けた最近の取り組みを報告する。【課題と対応】1)膵島移植臨床効果の理解:膵島移植の臨床効果が患者および内科医に十分に浸透していない。論文化された膵島移植臨床試験結果の活用が期待される。2)膵島移植適応基準:現状に即さない基準があり、糖尿病学会と連携した見直しが進んでいる。3)再生医療リスク分類の再検討:第1種再生医療等として実施することによる諸手続きの煩雑さが実施の負担を増やしている。再生医療学会と連携し見直しを求めている。4)膵島分離方法の進歩...
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Published in | 移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s212_2 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2024
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ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.59.Supplement_s212_2 |
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Summary: | 【緒言】膵島移植は保険診療化となり、重症糖尿病の治療オプションとしての発展が期待されているが、発展に向けた課題が明らかになってきている。課題と解決に向けた最近の取り組みを報告する。【課題と対応】1)膵島移植臨床効果の理解:膵島移植の臨床効果が患者および内科医に十分に浸透していない。論文化された膵島移植臨床試験結果の活用が期待される。2)膵島移植適応基準:現状に即さない基準があり、糖尿病学会と連携した見直しが進んでいる。3)再生医療リスク分類の再検討:第1種再生医療等として実施することによる諸手続きの煩雑さが実施の負担を増やしている。再生医療学会と連携し見直しを求めている。4)膵島分離方法の進歩:負担を軽減しうる膵島分離法の開発が望まれる。分離作業の自動化を試験中である。5)分離膵島の研究転用:移植に用いられない膵島の研究転用の重要度が高まっている。関連学会共同で供給体制が整備されてきた。6)レシピエントへの支援体制:長期の維持免疫抑制療法の経済的負担が課題である。学会と行政との協議継続が望まれる。7)保険点数の妥当性の検討:膵島分離用溶液のコストが上昇しており、保険点数の見直しが必要である。【結語】膵島移植発展への7つの課題と取り組みを挙げた。これらの取り組みを完結させることで、膵島移植が普及と糖尿病移植医療の発展が可能となると思われた。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.59.Supplement_s212_2 |