当院におけるACLF、high-MELD症例に対する生体肝移植の成績
【目的】Acute-on-chronic liver failure (A C L F)やHigh-MELDに対する移植成績は不良であるとの報告があり、その移植適応に関しては慎重な判断が求められる。本研究ではそれらの生体肝移植成績を明らかにすることを目的とした。【対象と方法】2000年1月から2023年5月までに当院で施行した生体肝移植のうち、小児・再移植症例を除く300例を対象に後方視的にACLFやMELDスコアを含む予後予測因子について比例ハザードモデルを用いて解析。ACLF症例においてグレード別での生存率を解析した。【結果】ACLFは16例、High MELD(>30)は29例であった。...
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| Published in | 移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s197_1 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本移植学会
2024
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
| DOI | 10.11386/jst.59.Supplement_s197_1 |
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| Summary: | 【目的】Acute-on-chronic liver failure (A C L F)やHigh-MELDに対する移植成績は不良であるとの報告があり、その移植適応に関しては慎重な判断が求められる。本研究ではそれらの生体肝移植成績を明らかにすることを目的とした。【対象と方法】2000年1月から2023年5月までに当院で施行した生体肝移植のうち、小児・再移植症例を除く300例を対象に後方視的にACLFやMELDスコアを含む予後予測因子について比例ハザードモデルを用いて解析。ACLF症例においてグレード別での生存率を解析した。【結果】ACLFは16例、High MELD(>30)は29例であった。ACLFは全例移植前ICU管理で、ICU入室から移植までの日数は中央値9日(1-23日)であった。ACLFの1年、5年生存率は68.8%、46.4%でありnon-ACLFの83.8%、72.1%と比較して有意に予後不良であった(P=0.002)。一方、High-MELD 症例の1年、5年生存率は75.9%、64.5%でありLow-MELD症例の83.8%、71.4%と同等であった。多変量解析では、高齢レシピエント、高齢ドナー、ACLFが独立した予後因子であったが、MELDスコアは影響しなかった。実際、MELD>30であってもACLFを発症していない症例の1年生存率は83.3%と良好であった。ACLF症例において重症度別の予後はグレード2で1年生存率80%、グレード3で1年生存率62.5%であった。【結語】ACLFは予後不良因子であったが、重症例であっても適切なタイミングでの移植と集中治療により移植後成績は許容できる。 |
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| ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
| DOI: | 10.11386/jst.59.Supplement_s197_1 |