HLA-EMMAとPIRCHE-IIを組み合わせた腎臓移植患者の免疫リスクの検討

【背景】ドナーとレシピエント間のHLA不一致に対するHLA抗体の発生は、拒絶反応の主な原因であり、この不一致の数を制限することは、移植後の拒絶反応のリスクを軽減する効果的な方法である。今回われわれは、HLAエピトープ不一致アルゴリズム(HLA-EM)と予測間接認識HLA エピトープ(PIRCHE-II)アルゴリズムを組み合わせ、dnDSA発生の予測について検討を行った。【方法】2005年1月から2020年7月までに当院で腎臓移植を施行した患者のうち、解析が可能であった344名(男性:205、女性:139)を対象とした。【結果】344名のうちdnDSA陽性患者は68名(20%)であった。HLAC...

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Published in移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s295_2
Main Authors 清水, 朋一, 尾本, 和也, 吉田, 一彦, 海上, 耕平, 石田, 英樹, 北島, 久視子, 高木, 敏男, 古澤, 美由紀, 飯塚, 淳平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2024
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.59.Supplement_s295_2

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Summary:【背景】ドナーとレシピエント間のHLA不一致に対するHLA抗体の発生は、拒絶反応の主な原因であり、この不一致の数を制限することは、移植後の拒絶反応のリスクを軽減する効果的な方法である。今回われわれは、HLAエピトープ不一致アルゴリズム(HLA-EM)と予測間接認識HLA エピトープ(PIRCHE-II)アルゴリズムを組み合わせ、dnDSA発生の予測について検討を行った。【方法】2005年1月から2020年7月までに当院で腎臓移植を施行した患者のうち、解析が可能であった344名(男性:205、女性:139)を対象とした。【結果】344名のうちdnDSA陽性患者は68名(20%)であった。HLAClass1,2の平均HLA-EMは18.6±9.1、PIRCHE-IIスコアは64.0±41.1であった。dnDSA非保有症例のHLA-EMは18.2±9.4、PIRCHE-IIスコアは61.6±39.3であった。dnDSA症例のHLA-EMは18.4±8.0、PIRCHE-IIスコア67.5±44.0であり、dnDSA症例では、HLA-EM 、PIRCHE-IIスコアともに、dnDSA非保有症例よりも平均値が高い傾向が認められた。どちらの解析法でも、dnDSA症例との間に相関が認められた。【まとめ】HLA-EMMAとPIRCHE-IIを組み合わせて用いることで、dnDSA発生の予防に役立つ可能性が示唆された。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.59.Supplement_s295_2