北海道における献腎移植臓器摘出の互助制度の確立
北海道においては2012年に豚を使用した腎摘出の練習を繰り返し施行することにより摘出手技が統一化され、摘出時間の著明な短縮につながった。しかし、10数年が経過し、新たな施設が加わったことや以前の経験者が分散したことにより移植施設単独での臓器摘出は困難な場合がでてきた。また、働き方改革の面からも臓器摘出と腎移植を同じ施設で行うことは今後の継続性がないと考え、北海道の腎移植7施設による互助制度を確立することとなった。実際の運用方法は、まずレシピエントが選定された施設が、自施設内で摘出チームの編成が可能か判断する。応援が必要と判断した場合には、今回作成した北海道移植医リストを使用し、移植施設が直接他...
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| Published in | 移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s166_2 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本移植学会
2024
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| ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
| DOI | 10.11386/jst.59.Supplement_s166_2 |
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| Summary: | 北海道においては2012年に豚を使用した腎摘出の練習を繰り返し施行することにより摘出手技が統一化され、摘出時間の著明な短縮につながった。しかし、10数年が経過し、新たな施設が加わったことや以前の経験者が分散したことにより移植施設単独での臓器摘出は困難な場合がでてきた。また、働き方改革の面からも臓器摘出と腎移植を同じ施設で行うことは今後の継続性がないと考え、北海道の腎移植7施設による互助制度を確立することとなった。実際の運用方法は、まずレシピエントが選定された施設が、自施設内で摘出チームの編成が可能か判断する。応援が必要と判断した場合には、今回作成した北海道移植医リストを使用し、移植施設が直接他施設の責任者に応援を依頼する。応援は完全に依頼するか、1-2名の応援でも可能とした。この制度により、3施設の医師で構成するチームで摘出する事が増え、移植施設の負担が軽減された。また、北海道の小児ドナーで他県から摘出の応援を受けた際にも、北海道の複数の施設で対応出来るようになった。さらに、手術器械や薬剤、備品などの提供も状況に応じて行っている。課題としては、移植施設ではない応援医師の労働の扱いや報酬が、各病院で違うことがあげられる。ただ、移植医療を持続可能な医療にするためにも本取り組みは重要であると考える。 |
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| ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
| DOI: | 10.11386/jst.59.Supplement_s166_2 |