思春期特発性側弯症(Lenke 1)に対するball tip probeを用いた用手的胸椎椎弓根スクリュー:術者間の比較

はじめに:思春期特発性側弯症に対する胸椎ペディクルスクリューは広く普及している手技で,具体的な方法は用手的,X線透視下,ナビゲーション下など施設により様々である.我々は一貫してball tip probeを用いた用手的screw刺入を行ってきたので,術者間での逸脱率につき比較検討した.対象と方法:2008年1月から2019年7月までに手術を行ったAIS 804例の内,Lenke 1に分類される100症例を熟練した術者1名による初期の50例(A群)とその術者より指導を受けた術者4名による最近の50例(B群)に分け対象とした.ball tip probeを用いたフリーハンドテクニックにより刺入し,...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 13; no. 2; pp. 96 - 101
Main Authors 山本, 修士, 川北, 晃平, 伊藤, 雅明, 安部, 真人, 鈴木, 哲平, 宇野, 耕吉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.02.2022
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ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2021-0044

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Summary:はじめに:思春期特発性側弯症に対する胸椎ペディクルスクリューは広く普及している手技で,具体的な方法は用手的,X線透視下,ナビゲーション下など施設により様々である.我々は一貫してball tip probeを用いた用手的screw刺入を行ってきたので,術者間での逸脱率につき比較検討した.対象と方法:2008年1月から2019年7月までに手術を行ったAIS 804例の内,Lenke 1に分類される100症例を熟練した術者1名による初期の50例(A群)とその術者より指導を受けた術者4名による最近の50例(B群)に分け対象とした.ball tip probeを用いたフリーハンドテクニックにより刺入し,CTで刺入位置を評価した.逸脱方向を内側,外側,前方に分類し,逸脱の程度をGrade分類した.結果:逸脱率はA群3.6%,B群3.4%であり,重大な合併症は認めなかった.結語:フリーハンドテクニックを用いた胸椎pedicle screw刺入手技は,適切な指導環境下では逸脱率もナビゲーション下手術と遜色なく,かつ術者間での逸脱率誤差を小さくすることも可能な,安全,安価な手術手技である.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2021-0044