腎移植後貧血に対するHIF-PH阻害剤の臨床的検討
【緒言】腎移植後貧血(PTA)は移植腎予後に影響し、また貧血改善が腎機能保護へつながることが指摘されている。当科でPTAに対するHIF-PH阻害剤使用の臨床的検討をおこなった。【方法】2021年1月から2024年4月までに当科でHIF-PH阻害剤を使用した腎移植レシピエント61例を対象とし後方視的に検討した。ヘモグロビン値(Hb)は11-13g/dLを目標として1、6、12、24ヶ月後のHb値と血清クレアチニン(Cre)の変化、有害事象について検討した。【結果】症例は男性37/ 女性 24例で年齢は中央値 50歳であった。生体腎移植/ 献腎移植 49/ 12例で、原疾患はIgA腎症 14例、慢...
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Published in | 移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s388_3 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2024
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ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.59.Supplement_s388_3 |
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Summary: | 【緒言】腎移植後貧血(PTA)は移植腎予後に影響し、また貧血改善が腎機能保護へつながることが指摘されている。当科でPTAに対するHIF-PH阻害剤使用の臨床的検討をおこなった。【方法】2021年1月から2024年4月までに当科でHIF-PH阻害剤を使用した腎移植レシピエント61例を対象とし後方視的に検討した。ヘモグロビン値(Hb)は11-13g/dLを目標として1、6、12、24ヶ月後のHb値と血清クレアチニン(Cre)の変化、有害事象について検討した。【結果】症例は男性37/ 女性 24例で年齢は中央値 50歳であった。生体腎移植/ 献腎移植 49/ 12例で、原疾患はIgA腎症 14例、慢性糸球体腎炎 13例の順で多かった。ESAの使用例は、31例(50.8%)であった。開始時Hbは10.4g/dL、Cre 1.8mg/dLで、投与 1、6、12、24ヶ月後Hb値は中央値 11.1/ 11.3/ 11.6/ 12.2g/dLで上昇率は5.3/ 7.3/ 15.3/ 11%であった。Creは投与 1、6、12、24ヶ月後で中央値 1.8/ 1.9/ 2.0 / 2.3mg/dLで上昇傾向を認めた。有害事象は2例でHbの著明な上昇で休薬となった。【結語】HIF-PH阻害剤にてPTAは、改善傾向であったが、腎機能への影響はなかった。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.59.Supplement_s388_3 |