IELTSスピーキング対策学習におけるChatGPTの活用について

海外の大学への留学にあたっての英語力証明に必要な試験として一般的なIELTSは,読む,聞く,書く,話すという4技能をすべてテストするものであり,多くの訓練が必要である一方で,通常の英語授業の中で資格試験対策を網羅的に行う,特にスピーキングなど発信面の訓練を多く積ませることは容易ではない。そこで本稿では,授業外学習として行った,生成AIであるChatGPTを活用したIELTSスピーキングテスト対策の実践を報告する。録音したスピーチを文字起こしし,ChatGPTに決まったプロンプトを入力して貼り付け,その結果について自身で批判的検討を加えながら修正稿を作るという練習を全9回行った。結果,学習終了後...

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Published in東北英語教育学会研究紀要 Vol. 45; pp. 116 - 125
Main Authors 木村, 太一, 小泉, 有紀子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 東北英語教育学会 31.03.2025
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ISSN1346-2504
2758-5514
DOI10.57539/telesjournal.45.0_116

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Summary:海外の大学への留学にあたっての英語力証明に必要な試験として一般的なIELTSは,読む,聞く,書く,話すという4技能をすべてテストするものであり,多くの訓練が必要である一方で,通常の英語授業の中で資格試験対策を網羅的に行う,特にスピーキングなど発信面の訓練を多く積ませることは容易ではない。そこで本稿では,授業外学習として行った,生成AIであるChatGPTを活用したIELTSスピーキングテスト対策の実践を報告する。録音したスピーチを文字起こしし,ChatGPTに決まったプロンプトを入力して貼り付け,その結果について自身で批判的検討を加えながら修正稿を作るという練習を全9回行った。結果,学習終了後の模擬テストのスコアが改善し,またアンケートの結果からも,たくさんの訓練とそれについての明示的な振り返り(ランゲージング活動)を行ったことによるスキルの向上が参加者に実感されたことがわかった。生成AIによって頻繁で迅速なフィードバックを得られることや,またそれについて学習者が具体的に検討を行うことにより,本実践には学習手段として一定の有効性があることが示唆された。
ISSN:1346-2504
2758-5514
DOI:10.57539/telesjournal.45.0_116