当院での肝移植における多職種連携
脂肪性肝疾患の急増や脳死臓器提供ドナーの増加に伴い肝移植件数は増加し、当院でも2023年は78件(生体56、脳死22)、2024年もそれ以上のペースである。この間、当科では下記のような多職種連携を確立してきた。<術前管理> 移植外科医が初診の肝移植適応を判断した後、術前精査は移植内科医が中心に行う。同時に、看護師の患者家族アセスメント、薬剤師の服薬アドヒアランス評価、リハビリ科のADL評価、栄養評価、歯科口腔ケア指導を行う。重症肝不全の脳死移植待機例では、移植内科医が主治医を密にサポートし、MELD scoreを随時更新する。これらの情報を毎日移植外科内で共有する。<周術期管理> 看護師・薬剤...
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Published in | 移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s146_1 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2024
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ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.59.Supplement_s146_1 |
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Summary: | 脂肪性肝疾患の急増や脳死臓器提供ドナーの増加に伴い肝移植件数は増加し、当院でも2023年は78件(生体56、脳死22)、2024年もそれ以上のペースである。この間、当科では下記のような多職種連携を確立してきた。<術前管理> 移植外科医が初診の肝移植適応を判断した後、術前精査は移植内科医が中心に行う。同時に、看護師の患者家族アセスメント、薬剤師の服薬アドヒアランス評価、リハビリ科のADL評価、栄養評価、歯科口腔ケア指導を行う。重症肝不全の脳死移植待機例では、移植内科医が主治医を密にサポートし、MELD scoreを随時更新する。これらの情報を毎日移植外科内で共有する。<周術期管理> 看護師・薬剤師と作成したクリニカルパスで、採血・指示・薬剤投与時時間を均一化する。ICU管理中は救命救急科・ICUスタッフとのカンファレンスで治療方針を毎日共有し、術翌日よりリハビリ科・リエゾン介入を行う。一般病棟でも多職種カンファレンスを毎週行い、退院・転院調整やICU患者情報の共有を行う。<外来管理> 移植外科外来に移植コーディネーターが常駐し、レシピエントとの面談やがん検診指導を行う。また、外来でも栄養師による栄養指導フォローを行う。それでも、外来の負担増加や低ADL患者や再入院患者による病棟負担といった問題は未だ解決しきれていない。今後さらに肝移植患者が増加することが予測される中では、さらなる対応・効率化が求められる。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.59.Supplement_s146_1 |