下肢神経症状を伴う骨粗鬆症性椎体骨折に対するBalloon Kyphoplasty(BKP)単独療法の有用性

はじめに:下肢神経症状を伴う骨粗鬆症性椎体骨折(OVF)に対し,Balloon Kyphoplasty(BKP)単独療法の成績を評価した.対象と方法:下肢神経症状を伴うOVFに対する初回手術としてBKPを施行した34例を対象とした.術前後における患者の移動能力・神経症状・腰背部痛,追加手術の有無を調べ,BKP単独手術によってADLに支障のないレベルまで神経症状が改善した群(BKP単独軽快群)と,症状が残存し追加手術を要した群(追加手術群)に分け,術前の神経症状と画像所見を比較検討した.結果:全例において,移動能力スコアは術前2.2±1.1,術後1ヶ月4.3±0.8で,術後が有意に高値だった.神...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 15; no. 5; pp. 779 - 785
Main Authors 加藤, 仁志, 鳥畠, 康充, 岡本, 春平, 小林, 源哉, 竹本, 直起
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.05.2024
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ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2023-0020

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Summary:はじめに:下肢神経症状を伴う骨粗鬆症性椎体骨折(OVF)に対し,Balloon Kyphoplasty(BKP)単独療法の成績を評価した.対象と方法:下肢神経症状を伴うOVFに対する初回手術としてBKPを施行した34例を対象とした.術前後における患者の移動能力・神経症状・腰背部痛,追加手術の有無を調べ,BKP単独手術によってADLに支障のないレベルまで神経症状が改善した群(BKP単独軽快群)と,症状が残存し追加手術を要した群(追加手術群)に分け,術前の神経症状と画像所見を比較検討した.結果:全例において,移動能力スコアは術前2.2±1.1,術後1ヶ月4.3±0.8で,術後が有意に高値だった.神経症状は25例(73.5%)がADL上支障のないレベルまで改善し,9例(26.5%)は改善もしくは不十分で追加手術を行った.両群で術前の神経症状と画像所見ともに有意差はなかった.結語:下肢神経症状を伴うOVF 34例に対しBKP単独療法を施行し,神経症状は25例(73.5%)で軽快し,移動能力スコアは有意に改善した.術前にBKP単独で神経症状改善を予測できる因子を見出すことはできなかった.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2023-0020