初の肝小腸移植後症例を迎えて-患児経過と現状課題について
【緒言】肝小腸移植後患児を迎え、5年10か月が経過した。本会では、これまでのlife threatening eventsおよび現状課題について報告する。【症例】腸管リハビリテーションプログラム導入1例目の7歳7か月男児。16生日に劇症型壊死性腸炎を発症した。18cmの上部空腸(残存小腸率8.6%)と4cmの直腸を吻合再建したが、腸管不全関連肝障害進行のため1歳9か月時に東京で脳死小腸移植・生体部分肝移植、気管切開を受けた。2歳11か月(移植後1年2か月)で帰鹿した。【経過・現状課題】移植後は経口忌避となり、経管栄養管理になった。4歳0か月(移植後2年3か月)グラフト人工肛門閉鎖を経て帰鹿後、...
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Published in | 移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s221_2 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2024
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.59.Supplement_s221_2 |
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Summary: | 【緒言】肝小腸移植後患児を迎え、5年10か月が経過した。本会では、これまでのlife threatening eventsおよび現状課題について報告する。【症例】腸管リハビリテーションプログラム導入1例目の7歳7か月男児。16生日に劇症型壊死性腸炎を発症した。18cmの上部空腸(残存小腸率8.6%)と4cmの直腸を吻合再建したが、腸管不全関連肝障害進行のため1歳9か月時に東京で脳死小腸移植・生体部分肝移植、気管切開を受けた。2歳11か月(移植後1年2か月)で帰鹿した。【経過・現状課題】移植後は経口忌避となり、経管栄養管理になった。4歳0か月(移植後2年3か月)グラフト人工肛門閉鎖を経て帰鹿後、気切口出血で時間外受診した。タクロリムストラフ異常高値(42.8 ng/ml)と急性腎機能障害(BUN 34.6mg/dl、クレアチニン 0.68 mg/dl)をみとめ移植施設へ搬送した。4歳9か月(移植後3年)、成分栄養剤から消化態栄養剤への積極的移行試行中に下血した。輸血需要、顕著な移植腸管の拡張とbacterial translocation様発熱をみとめ、5歳1か月(移植後3年4か月)グラフト人工肛門再造設・胃瘻造設となった。小学2年の現在、経口忌避遷延、体重増加不良、発語遅延、重度の内向性が課題であるが、学校集団生活に解決の糸口を期待している。【結語】幸いこれまで拒絶はみられていない。両親・訪看・かかりつけ薬剤師からの連絡を常時受けられる体制を整え、随時移植施設と情報共有しながらフォローを続けている。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.59.Supplement_s221_2 |