維持レベル飼養下における代謝タンパク質の変動供給が成メンヨウの窒素出納に及ぼす影響
維持レベルに相当する代謝タンパク質(MP)給与水準を48時間間隔で変動させ得る飼料給与法が,窒素(N)出納および反芻胃内微生物生産量について検討した。4頭の成雄メンヨウを供試した。飼料を維持レベルで毎日一定量給与する対照区と,MPを維持要求量の140%および60%を充足する飼料を調製し,48時間間隔で変動させて給与する変動給与区の2つの処理区を設け,それぞれ23日間給与し,全糞全尿採取法による物質出納試験,反芻行動記録および血液サンプル採取を実施した。また尿中へのプリン誘導体排泄量から,小腸への微生物体N供給量を推定した。飼料摂取量および消化試験の結果から,代謝エネルギーおよびMP摂取量に処理...
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| Published in | 日本緬羊研究会誌 Vol. 2009; no. 46; pp. 5 - 11 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本緬羊研究会
2009
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0389-1305 2186-1013 |
| DOI | 10.11595/jpnjsheepsci.2009.46_5 |
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| Summary: | 維持レベルに相当する代謝タンパク質(MP)給与水準を48時間間隔で変動させ得る飼料給与法が,窒素(N)出納および反芻胃内微生物生産量について検討した。4頭の成雄メンヨウを供試した。飼料を維持レベルで毎日一定量給与する対照区と,MPを維持要求量の140%および60%を充足する飼料を調製し,48時間間隔で変動させて給与する変動給与区の2つの処理区を設け,それぞれ23日間給与し,全糞全尿採取法による物質出納試験,反芻行動記録および血液サンプル採取を実施した。また尿中へのプリン誘導体排泄量から,小腸への微生物体N供給量を推定した。飼料摂取量および消化試験の結果から,代謝エネルギーおよびMP摂取量に処理間差はないものと推定された。栄養素消化率は処理間で有意差はなかった。糞中N排泄量は処理間に差はなかった。摂取Nの蓄積率および吸収Nの蓄積率は処理間に差はなかったが,変動給与区が対照区と比べて高い傾向がみられた。尿中N排泄量は,対照区が変動給与区と比べて有意に高かった。血中尿素態Nおよび血糖濃度は,対照区と比べて変動給与区が有意に高かった。微生物体N供給量は処理間で差はなかったが,微生物合成効率は低MP飼料給与期が他の処理区と比べて有意に高かった。本試験によりMPの変動供給は,メンヨウの維持レベルにおいてN再循環の促進と尿中N排泄の抑制により,N利用率を向上させ得ることが示された。 |
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| ISSN: | 0389-1305 2186-1013 |
| DOI: | 10.11595/jpnjsheepsci.2009.46_5 |