医学生からみた肝移植~臨床実習前に学べる臨床・教育・研究

【背景・目的】令和4年度医学教育モデルコアカリキュラムにおいて医学生が卒業までに身に着ける資質・能力が示された。参加型臨床実習開始前の3年次までに得られた学びについて報告する。【方法】医学部入学前より移植医療に興味があり入学後医学教育研修センター教員を通じて移植チームを紹介され、肝移植医療に接した。3年次までに得られた学びをもとに基礎医学と移植医療を早期に結ぶことについて、学生の視点で考察した。【結果】臨床:手術手技の精密さに触れ、縫合、結紮といった基本手技に関心をもち、学内シミュレーション施設利用による手技の修練に繋がった。レシピエント、ドナー、家族、多診療科、他の医療職とのコミュニケーショ...

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Published in移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s274_1
Main Authors 清水, 明, 副島, 雄二, 大野, 康成, 増田, 雄一, 稲田, 咲耶, 三田, 篤義, 後藤, 美香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2024
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.59.Supplement_s274_1

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Summary:【背景・目的】令和4年度医学教育モデルコアカリキュラムにおいて医学生が卒業までに身に着ける資質・能力が示された。参加型臨床実習開始前の3年次までに得られた学びについて報告する。【方法】医学部入学前より移植医療に興味があり入学後医学教育研修センター教員を通じて移植チームを紹介され、肝移植医療に接した。3年次までに得られた学びをもとに基礎医学と移植医療を早期に結ぶことについて、学生の視点で考察した。【結果】臨床:手術手技の精密さに触れ、縫合、結紮といった基本手技に関心をもち、学内シミュレーション施設利用による手技の修練に繋がった。レシピエント、ドナー、家族、多診療科、他の医療職とのコミュニケーションを必要とする移植外科医の視点を学ぶことができた。教育:他分野の知識を必要とする場面も多く、カリキュラム内の授業についてより関心を持ち学ぶことができた。移植外科医のキャリアは研究・臨床留学や行政などと幅広く、自らの進路について多角的に考えるきっかけになった。研究:再生医学研究室の実験に参加する機会を通じ、研究が移植医療の発展に重要な役割を果たしていることを学んだ。学会参加・発表を通じて学術的活動に触れ生涯学習の必要性や移植医療を考える視座を得られた。【結語】肝移植に関連して学ぶことのできる医学は多岐にわたり、移植医療に関わる多様な人々の連携を知り、医学生が身に着けておくべき能力の習得に繋がった。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.59.Supplement_s274_1