当院で経験したen-bloc腎移植の2例
近年小児ドナーからの腎提供が増加している。低体重小児ドナーから小児レシピエントへの腎移植は外科的合併症や血栓症による移植腎喪失のリスクが高いとされている。当院で経験したen-bloc腎移植(en-bloc kidney transplantation:EBKT)の二例について報告する。【1例目】ドナーは3歳女児、身長90cm、体重13.5kg、グラフト重量は120gだった。レシピエントは19歳女性、身長155.7cm、44.9kg、原疾患は急速進行性糸球体腎炎で透析歴は6年だった。グラフト大動脈、下大静脈の頭側を縫合閉鎖し、大動脈を総腸骨動脈、下大静脈を外腸骨静脈に端側吻合した。両側の尿管をc...
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Published in | 移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s360_1 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2024
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.59.Supplement_s360_1 |
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Summary: | 近年小児ドナーからの腎提供が増加している。低体重小児ドナーから小児レシピエントへの腎移植は外科的合併症や血栓症による移植腎喪失のリスクが高いとされている。当院で経験したen-bloc腎移植(en-bloc kidney transplantation:EBKT)の二例について報告する。【1例目】ドナーは3歳女児、身長90cm、体重13.5kg、グラフト重量は120gだった。レシピエントは19歳女性、身長155.7cm、44.9kg、原疾患は急速進行性糸球体腎炎で透析歴は6年だった。グラフト大動脈、下大静脈の頭側を縫合閉鎖し、大動脈を総腸骨動脈、下大静脈を外腸骨静脈に端側吻合した。両側の尿管をconjoinedし膀胱と吻合した。総阻血時間は340分、最終Cr0.84mg/dLで退院となった。【2例目】 ドナーは1歳男児、身長73cm、体重9kg、グラフト重量111gだった。レシピエントは13歳女児、身長144cm、体重29kg、原疾患は常染色体潜性アルポート症候群で透析は腹膜透析歴3ヶ月。グラフト大動脈を外腸骨動脈、下大静脈を外腸骨静脈へ端側吻合した。尿管はそれぞれ膀胱に吻合した。総阻血時間は680分、最終Cr0.81mg/dLで退院となった。上記症例について手術手技、術後経過について若干の文献的考察も交えて報告する。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.59.Supplement_s360_1 |