脊椎手術における高位確認に関するアンケート調査(脊椎手術のヒヤリハット)

日本の脊椎脊髄手術におけるwrong site spine surgery(WSSS)の発生頻度やその詳細を把握し,そのデータを基にWSSSを極力なくす具体的方策を検討することを目的として,日本脊椎脊髄病学会に属する脊椎脊髄外科医に対して,web形式による無記名のアンケート調査を実施した.その結果,「脊椎脊髄外科医」の約80%にWSSSの経験があることが分かった.WSSSの原因は術者要因,患者要因など様々であった.WSSSを起こさない対策として1)複数人での確認,2)執刀医以外の医師,スタッフが意見できる環境作り,3)基本的には棘突起にマーカー(メルクマール)を置いてX線撮影での確認,4)上記...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 14; no. 5; pp. 748 - 752
Main Authors 手束, 文威, 小西, 宏昭, JSSR安全医療推進委員会, 高橋, 寛, 高相, 晶士, 相澤, 俊峰, 中西, 一夫, 大谷, 晃司, 加藤, 仁志, 町野, 正明, 西田, 康太郎, 須田, 浩太, 宮腰, 尚久, 村上, 英樹, 大和, 雄, 湯川, 泰紹, 奥田, 眞也, 今釜, 史郎, 金村, 徳相, 酒井, 紀典, 川口, 善治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.05.2023
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ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2022-0036

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Summary:日本の脊椎脊髄手術におけるwrong site spine surgery(WSSS)の発生頻度やその詳細を把握し,そのデータを基にWSSSを極力なくす具体的方策を検討することを目的として,日本脊椎脊髄病学会に属する脊椎脊髄外科医に対して,web形式による無記名のアンケート調査を実施した.その結果,「脊椎脊髄外科医」の約80%にWSSSの経験があることが分かった.WSSSの原因は術者要因,患者要因など様々であった.WSSSを起こさない対策として1)複数人での確認,2)執刀医以外の医師,スタッフが意見できる環境作り,3)基本的には棘突起にマーカー(メルクマール)を置いてX線撮影での確認,4)上記X線撮影での判定が不十分と判断されれば,2方向でのX線撮影,または2ヶ所のマーカー(メルクマール)の設置,またはX線透視の使用,以上4つの案が考えられた.また手術終了後麻酔中の再度の確認が必要である.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2022-0036