データの資本としての記録方法について~2025SNA(仮称)に向けた国民経済計算における試算

2010 年代半ばから、GAFA 等が台頭しデータの経済的な価値が注目を浴びる中、国民経済計算としてもデータの価値を正しく捕捉することが求められている。内閣府経済社会総合研究所では、データの資本化について、将来の実装を見据えて 2022年度より基礎的な研究・検討を進め、諸外国の先行研究を参考として、データ等の産出額の暫定的な試算を行い、2023年5月に公表した。2020 年時点の名目産出額は、データが6兆 7,500 億円、データベースが1兆 1,360 億円、データ分析が5兆3,610億円となり、直近の 10 年間で増えていることが分かった。諸外国の試算結果とおおよそ比較できるように複数の試...

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Published in経済分析 Vol. 209; pp. 26 - 43
Main Authors 吉本, 尚史, 河野, 陽介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 内閣府経済社会総合研究所 29.03.2024
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ISSN0453-4727
2758-9900
DOI10.60294/keizaibunseki.209.0_26

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Summary:2010 年代半ばから、GAFA 等が台頭しデータの経済的な価値が注目を浴びる中、国民経済計算としてもデータの価値を正しく捕捉することが求められている。内閣府経済社会総合研究所では、データの資本化について、将来の実装を見据えて 2022年度より基礎的な研究・検討を進め、諸外国の先行研究を参考として、データ等の産出額の暫定的な試算を行い、2023年5月に公表した。2020 年時点の名目産出額は、データが6兆 7,500 億円、データベースが1兆 1,360 億円、データ分析が5兆3,610億円となり、直近の 10 年間で増えていることが分かった。諸外国の試算結果とおおよそ比較できるように複数の試算を行ったところ、規模、GDP成長寄与度は同程度であった。現時点で概念及び実務上の論点が多く残っており、今後公表予定である推計ハンドブック等で国際的に統一的な指針が示されることが期待される。内閣府経済社会総合研究所としても、引き続き、積極的に国際議論へ関与していく。
ISSN:0453-4727
2758-9900
DOI:10.60294/keizaibunseki.209.0_26