墜落外傷による寛骨臼骨折部に小腸嵌頓を認めた1例

〔要旨〕症例は73歳男性。木の剪定中に約2mの高さから転落し受傷,当院へ救急搬送された。CT検査にて後腹膜血腫を伴う右寛骨臼骨折を認め,待機的手術目的に入院となった。第4病日に腹部膨満,嘔吐症状を認め腹部造影CT検査をしたところ,寛骨臼骨折部に腸管が嵌頓し腸閉塞をきたしており,緊急開腹手術を施行し嵌頓を解除した。術後経過は良好であり,右寛骨臼観血的整復固定術を施行後にリハビリテーション目的にて転院となった。寛骨臼骨折の合併症として麻痺性イレウスはしばしばみられるが,骨折部への腸管嵌頓による腸閉塞は非常にまれである。鑑別のためにはCT検査による慎重な評価が重要である。...

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Published inJapanese Journal of Acute Care Surgery p. 14-3
Main Authors 長谷川, 栄寿, 関, 聡志, 小原, 佐衣子, 岡田, 一郎, 井上, 和茂, 菱川, 剛, 米山, 久詞
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本Acute Care Surgery 学会 2024
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ISSN2436-102X
DOI10.50840/jjacs.14-3

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Summary:〔要旨〕症例は73歳男性。木の剪定中に約2mの高さから転落し受傷,当院へ救急搬送された。CT検査にて後腹膜血腫を伴う右寛骨臼骨折を認め,待機的手術目的に入院となった。第4病日に腹部膨満,嘔吐症状を認め腹部造影CT検査をしたところ,寛骨臼骨折部に腸管が嵌頓し腸閉塞をきたしており,緊急開腹手術を施行し嵌頓を解除した。術後経過は良好であり,右寛骨臼観血的整復固定術を施行後にリハビリテーション目的にて転院となった。寛骨臼骨折の合併症として麻痺性イレウスはしばしばみられるが,骨折部への腸管嵌頓による腸閉塞は非常にまれである。鑑別のためにはCT検査による慎重な評価が重要である。
ISSN:2436-102X
DOI:10.50840/jjacs.14-3