モンテカルロ法を用いた複数部材からなる構造物の地震フラジリティ曲線の評価
確率論的地震リスク評価に用いられる地震フラジリティ曲線(SFC)は,多くの既往検討においては,地震動強度と被害率の関係を正規分布や対数正規分布と仮定した上で,過去の地震被害記録を回帰することで,これらの確率分布の変数(平均や標準偏差等)を求めている.石油製油所や石油化学工場といったプラント構造物は,その絶対数が少なく,また,一般建物と異なり固有性が高いため,統計処理によってSFCを求めることはできない.そのため,解析的な方法を用いてSFCを評価する必要が生じる.そこで3次元で部材なりに構築したモデルをSFC評価に応用することを前提とする.SFC評価では,応答と耐力の確率分布の評価が前提であるが...
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Published in | 日本計算工学会論文集 Vol. 2025; p. 20250005 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本計算工学会
16.04.2025
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Subjects | |
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ISSN | 1347-8826 |
DOI | 10.11421/jsces.2025.20250005 |
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Summary: | 確率論的地震リスク評価に用いられる地震フラジリティ曲線(SFC)は,多くの既往検討においては,地震動強度と被害率の関係を正規分布や対数正規分布と仮定した上で,過去の地震被害記録を回帰することで,これらの確率分布の変数(平均や標準偏差等)を求めている.石油製油所や石油化学工場といったプラント構造物は,その絶対数が少なく,また,一般建物と異なり固有性が高いため,統計処理によってSFCを求めることはできない.そのため,解析的な方法を用いてSFCを評価する必要が生じる.そこで3次元で部材なりに構築したモデルをSFC評価に応用することを前提とする.SFC評価では,応答と耐力の確率分布の評価が前提であるが,前述のモデル化を採用した場合には得られる結果は部材のSFCとなる.したがって,プラント構造物としてのSFCを求めるためには,部材のSFCと構造物のSFCを関連付けることが必要となり,この関連づけをフォールト・ツリーを用いて行う.本研究では,モンテカルロシミュレーションにより部材のSFCを評価し,フォールトツリーにより関連付け,構造物のSFCを評価する方法を構築するとともに,具体的な適用を通して,手法の適用可能性を検討する. |
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ISSN: | 1347-8826 |
DOI: | 10.11421/jsces.2025.20250005 |