下総台地北西部の地下に分布する中部更新統下総層群清川層の層相・物性の側方変化

関東平野中央部における清川層の側方への層相変化及び清川層と木下層下部の層相・物性の差異を明らかにする目的で,千葉県野田市山崎でボーリング調査(GS-ND-2)を行った.本ボーリングコアの清川層は下位から陸成層,海成層,陸成層と変化する.同様の層相変化は柏GS-KW-1コアにも認められ対比されるが,両者の層相と花粉帯境界は斜交し,調査地域では南側ほど海退が遅れたことが示唆される.清川層の泥層と木下層下部の泥層はN値と花粉化石群集に明確に違いがあり,両者の判別に有効である.持続的な地下水利用や地震災害リスク評価の観点からも清川層の層相変化様式や木下層下部の軟弱な泥層の分布を把握することが重要である...

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Published in地質学雑誌 Vol. 130; no. 1; pp. 223 - 238
Main Authors 中里, 裕臣, 坂田, 健太郎, 米岡, 佳弥, 本郷, 美佐緒, 中澤, 努
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地質学会 13.07.2024
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ISSN0016-7630
1349-9963
DOI10.5575/geosoc.2024.0012

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Summary:関東平野中央部における清川層の側方への層相変化及び清川層と木下層下部の層相・物性の差異を明らかにする目的で,千葉県野田市山崎でボーリング調査(GS-ND-2)を行った.本ボーリングコアの清川層は下位から陸成層,海成層,陸成層と変化する.同様の層相変化は柏GS-KW-1コアにも認められ対比されるが,両者の層相と花粉帯境界は斜交し,調査地域では南側ほど海退が遅れたことが示唆される.清川層の泥層と木下層下部の泥層はN値と花粉化石群集に明確に違いがあり,両者の判別に有効である.持続的な地下水利用や地震災害リスク評価の観点からも清川層の層相変化様式や木下層下部の軟弱な泥層の分布を把握することが重要である.
ISSN:0016-7630
1349-9963
DOI:10.5575/geosoc.2024.0012