陳旧性顎関節脱臼に対する非観血的整復法の1例 辺縁性歯周炎が進行した患者に対しての工夫

陳旧性顎関節脱臼は, 下顎窩内の器質的変化のため徒手整復が困難であり, しばしば全身麻酔下にて観血的整復が行われる。今回全身麻酔を行うことが不可能な患者の陳旧性顎関節脱臼の1例を報告する。 患者は61歳の男性で, 重度の辺縁性歯周炎であった。慢性肝障害のため全身麻酔が危険であることから, バイトブロックとゴム牽引を利用した槓杆作用による持続的整復法を選択した。患者は牽引力に耐えうる堅固な歯がないため, 過去に報告されている持続的整復法に工夫を加えた。治療開始後17日目, 整復に成功し下顎は安定した。治療後12か月経過し, 再脱臼なく経過は良好である。...

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Published inJournal of the Japanese Society for the Temporomandibular Joint Vol. 19; no. 2; pp. 171 - 176
Main Authors 佐々木, 朗, 矢尾, 真弓, 中山, 周子, 目瀬, 浩, 吉濱, 泰斗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本顎関節学会 20.08.2007
The Japanese Society for Temporomandibular Joint
Subjects
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ISSN0915-3004
1884-4308
DOI10.11246/gakukansetsu1989.19.171

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Summary:陳旧性顎関節脱臼は, 下顎窩内の器質的変化のため徒手整復が困難であり, しばしば全身麻酔下にて観血的整復が行われる。今回全身麻酔を行うことが不可能な患者の陳旧性顎関節脱臼の1例を報告する。 患者は61歳の男性で, 重度の辺縁性歯周炎であった。慢性肝障害のため全身麻酔が危険であることから, バイトブロックとゴム牽引を利用した槓杆作用による持続的整復法を選択した。患者は牽引力に耐えうる堅固な歯がないため, 過去に報告されている持続的整復法に工夫を加えた。治療開始後17日目, 整復に成功し下顎は安定した。治療後12か月経過し, 再脱臼なく経過は良好である。
ISSN:0915-3004
1884-4308
DOI:10.11246/gakukansetsu1989.19.171