非常用階段降下ストレッチャーの開発研究

【はじめに】災害時に、歩行困難者や寝たきりの病人等を可能な限り仰臥状態で、マンションや病院などの上層階から地上階に階段を使って降下できるストレッチャーを開発し、その有効性と課題を明らかにした。開発コンセプトは、搬送者と被搬送者の安全性を高め、転倒への不安を低減し、踊り場での転回を可能にし、一般の人が使用できることとした。【方法】本ストレッチャーで5階から1階までの降下実験を行い、時間や速度を計測した。【結果】介護未経験者である運搬者が男女ともに、中断することなく、安定して降下できた。【考察】本ストレッチャーを使えば、1人の搬送者が1人の被搬送者を背臀位の状態で安全に搬送することができることが実...

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Published in日本災害医学会雑誌 Vol. 30; no. 2; pp. 90 - 96
Main Authors 前林, 清和, 田中, 綾子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本災害医学会 05.06.2025
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ISSN2189-4035
2434-4214
DOI10.51028/jjdisatmed.30.2_90

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Summary:【はじめに】災害時に、歩行困難者や寝たきりの病人等を可能な限り仰臥状態で、マンションや病院などの上層階から地上階に階段を使って降下できるストレッチャーを開発し、その有効性と課題を明らかにした。開発コンセプトは、搬送者と被搬送者の安全性を高め、転倒への不安を低減し、踊り場での転回を可能にし、一般の人が使用できることとした。【方法】本ストレッチャーで5階から1階までの降下実験を行い、時間や速度を計測した。【結果】介護未経験者である運搬者が男女ともに、中断することなく、安定して降下できた。【考察】本ストレッチャーを使えば、1人の搬送者が1人の被搬送者を背臀位の状態で安全に搬送することができることが実証された。ただ、階段降下中の振動の軽減、ダンパーのハンドルの位置や操作などに改良が必要である。【おわりに】今後の課題は、降下速度の向上とさらなる安定性の確保、操作性や軽量化の改善である。
ISSN:2189-4035
2434-4214
DOI:10.51028/jjdisatmed.30.2_90