2.百寿者・超百寿者の脳病理学的特徴

100歳を超える人,特に健康で100歳を迎えた人の脳病理所見を研究することは,加齢に伴う脳の変化を考える上で重要であると考える.実際,加齢とともに進展・悪化すると考えられてきた,アルツハイマー病の脳病理変化は,超高齢者において無制限に進行するわけではない.超百寿(110歳以上)の研究もふまえれば,むしろ病理変化の進行がみられていないともいえる.こういった加齢変化の少ない超高齢者の脳組織を用いた研究は,加齢変化のメカニズムを解明することにつながる可能性もある....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本老年医学会雑誌 Vol. 55; no. 4; pp. 562 - 569
Main Author 髙尾, 昌樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年医学会 25.10.2018
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0300-9173
DOI10.3143/geriatrics.55.562

Cover

More Information
Summary:100歳を超える人,特に健康で100歳を迎えた人の脳病理所見を研究することは,加齢に伴う脳の変化を考える上で重要であると考える.実際,加齢とともに進展・悪化すると考えられてきた,アルツハイマー病の脳病理変化は,超高齢者において無制限に進行するわけではない.超百寿(110歳以上)の研究もふまえれば,むしろ病理変化の進行がみられていないともいえる.こういった加齢変化の少ない超高齢者の脳組織を用いた研究は,加齢変化のメカニズムを解明することにつながる可能性もある.
ISSN:0300-9173
DOI:10.3143/geriatrics.55.562