がん看護学教育における物語を導入した教育方法Story-Case Learning(SCL)の試み

理論的構成要素として,Corcoran-Perryの理論から「選択」,Newmanの理論から「適応」,Johnson and Morseの理論から「調和」の3概念を基に,がん看護教育内容のフレームワークを行い,SCL (Story-Case Learning) 教育方法の開発を目的とした。研究方法では,3年課程看護短期大学2年次生77名を対象に,がん看護場面を描いた物語を用いた課題学習とグループワークを導入した教育方法(SCL)を試み,個人ワークの課題を調査データとし,質的研究方法を用いて分析した。その結果,「人生の選択」からは,学生が,主に医師の説明のあいまいさがもたらす不安に焦点をあて,治...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 28; no. 5; pp. 5_87 - 5_96
Main Author 関, 美奈子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 2005
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20051003008

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Summary:理論的構成要素として,Corcoran-Perryの理論から「選択」,Newmanの理論から「適応」,Johnson and Morseの理論から「調和」の3概念を基に,がん看護教育内容のフレームワークを行い,SCL (Story-Case Learning) 教育方法の開発を目的とした。研究方法では,3年課程看護短期大学2年次生77名を対象に,がん看護場面を描いた物語を用いた課題学習とグループワークを導入した教育方法(SCL)を試み,個人ワークの課題を調査データとし,質的研究方法を用いて分析した。その結果,「人生の選択」からは,学生が,主に医師の説明のあいまいさがもたらす不安に焦点をあて,治療経過に伴う患者の選択プロセスを理解した内容として,8コードを抽出した。「疾病への適応」からは,学生が,患者の不確かさの状態における,潜在的な不安から現在の不安へのプロセスを見出し,不安を軽減するために明確な対応の告知が重要であると学習した,9コードを抽出した。 「生活への調和」からは,生活環境の変化,治療の経過,患者の精神面の側面で分析した生活への調和に影響する要因として,10コードを抽出した。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20051003008