小学生用デジタル教材による個別学習で 成人のリスニング力は向上するか 現職教員の英語力向上を視野に入れて

本研究の目的は,小学生用デジタル教材による個別学習で,成人のリスニング力が向上するかを検証することであった。今回は,英語力に不安を抱える現職教員を視野に入れ,類似した大学生対象の調査とした。参加者は,処置群として1 年間以上英語学習をしていない3・4 年生合計9 名,対照群としてリスニング力の成績が処置群の学生とほぼ同じ1 年生9 名であった。処置群は,1 つのLesson が15 分程度で終わる18のLesson で構成された5・6 年生用デジタル教材を使用し,1 日1 Lesson を目安に1 ヶ月程度の個別学習を行った。一方,対照群は当該大学で実施された習熟度別少人数クラスで通常の英語授...

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Published in植草学園大学研究紀要 Vol. 13; no. 13; pp. 27 - 38
Main Authors 長谷川, 修治, 安藤, 則夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人 植草学園大学 31.03.2021
植草学園大学
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ISSN1883-5988
2433-555X
DOI10.24683/uekusad.13.0_27

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Summary:本研究の目的は,小学生用デジタル教材による個別学習で,成人のリスニング力が向上するかを検証することであった。今回は,英語力に不安を抱える現職教員を視野に入れ,類似した大学生対象の調査とした。参加者は,処置群として1 年間以上英語学習をしていない3・4 年生合計9 名,対照群としてリスニング力の成績が処置群の学生とほぼ同じ1 年生9 名であった。処置群は,1 つのLesson が15 分程度で終わる18のLesson で構成された5・6 年生用デジタル教材を使用し,1 日1 Lesson を目安に1 ヶ月程度の個別学習を行った。一方,対照群は当該大学で実施された習熟度別少人数クラスで通常の英語授業を13 回受講した。それぞれの事前・事後を学習内容とは関係のない英検準2 級のリスニングテストで比較した結果,処置群は成績が向上し5%水準で有意な差になった。一方,対照群は成績に有意な向上はなかった。よって,英語力に不安を抱える現職教員は,小学生用デジタル教材による個別学習で,英語力の基盤となるリスニング力の向上が図れると示唆された。
ISSN:1883-5988
2433-555X
DOI:10.24683/uekusad.13.0_27