症例 ハロペリドールによると思われるQT延長によりVTを頻発した慢性腎不全を伴う腹部大動脈瘤術後の1症例

慢性腎不全のため昭和58年来血液透析を受けている64歳,腹部大動脈瘤男性例に対しYグラフト移植術を施行した.術後度重なる不穏に対してハロペリドールを大量に使用し,これにより不穏を抑制することができたがQT延長をきたしRonTによると思われるVTを頻発した.ハロペリドールの使用を中止し,また透析吸着を行ったところQT延長も正常化しVTも出現しなくなった.ハロペリドールの最高血中濃度は10.6ng/dlであり治療濃度域内にコントロールされていた. [総括]ハロペリドール使用時は血中濃度が正常域でも不整脈に十分注意すべきである....

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Published in心臓 Vol. 25; no. 12; pp. 1438 - 1442
Main Authors 林, 信成, 田所, 雅克, 野中, 健史, 池田, 晃治, 小久保, 純, 藤木, 達雄, 須藤, 憲一, 小石, 沢正, 藤倉, 知子, 水野, 明, 大滝, 章男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1993
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.25.12_1438

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Summary:慢性腎不全のため昭和58年来血液透析を受けている64歳,腹部大動脈瘤男性例に対しYグラフト移植術を施行した.術後度重なる不穏に対してハロペリドールを大量に使用し,これにより不穏を抑制することができたがQT延長をきたしRonTによると思われるVTを頻発した.ハロペリドールの使用を中止し,また透析吸着を行ったところQT延長も正常化しVTも出現しなくなった.ハロペリドールの最高血中濃度は10.6ng/dlであり治療濃度域内にコントロールされていた. [総括]ハロペリドール使用時は血中濃度が正常域でも不整脈に十分注意すべきである.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.25.12_1438