2.血液バイオマーカーに期待されるもの

CSFバイオマーカーは認知症の病因診断および抗Aβ抗体薬の対象選択に有用な検査と考えられるが,腰椎穿刺の侵襲性や被検者の検査に対する恐怖感を考慮すると血液バイオマーカーへの代替が望まれる.血漿Aβ42/40比に関してはアミロイド陽性群と陰性群のオーバーラップが小さくないため,腰椎穿刺やPET検査のスクリーナーとしての活用が期待されている.一方,血漿p-tau217はCSFバイオマーカーに匹敵する診断精度を有し,単独での活用が検討されている.今後はタウ蓄積を反映する血液バイオマーカーの開発が望まれる....

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Published in日本老年医学会雑誌 Vol. 61; no. 1; pp. 28 - 33
Main Author 春日, 健作
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年医学会 25.01.2024
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ISSN0300-9173
DOI10.3143/geriatrics.61.28

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Summary:CSFバイオマーカーは認知症の病因診断および抗Aβ抗体薬の対象選択に有用な検査と考えられるが,腰椎穿刺の侵襲性や被検者の検査に対する恐怖感を考慮すると血液バイオマーカーへの代替が望まれる.血漿Aβ42/40比に関してはアミロイド陽性群と陰性群のオーバーラップが小さくないため,腰椎穿刺やPET検査のスクリーナーとしての活用が期待されている.一方,血漿p-tau217はCSFバイオマーカーに匹敵する診断精度を有し,単独での活用が検討されている.今後はタウ蓄積を反映する血液バイオマーカーの開発が望まれる.
ISSN:0300-9173
DOI:10.3143/geriatrics.61.28