介護老人保健施設における1年間の認知症ケアマッピング(DCM)の有効性:医療・福祉職の連携によるパーソン・センタード・ケアをめざした発展的評価が及ぼす効果
目的:本研究の目的は,介護老人保健施設における1年間の認知症ケアマッピング(DCM)の医療・福祉職の連携によるパーソン・センタード・ケア(PCC)をめざした発展的評価が及ぼす効果を明らかにすることである.方法:2016年9月~2017年8月に介護老人保健施設においてDCMを実施し,医療職・福祉職を対象にアンケート調査とフォーカス・グループインタビュー調査の両方による混合研究法を用いて調査した.なお,狭義ではケアスタッフは看護職・介護職をいうが,本研究では,医師・理学療法士・作業療法士の医療職もケアスタッフとしてDCMに取り組んだ.結果:対象者は合計24名,施設経験年数7.2年であった.介護職の...
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| Published in | 日本老年医学会雑誌 Vol. 58; no. 1; pp. 70 - 80 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本老年医学会
25.01.2021
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0300-9173 |
| DOI | 10.3143/geriatrics.58.70 |
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| Summary: | 目的:本研究の目的は,介護老人保健施設における1年間の認知症ケアマッピング(DCM)の医療・福祉職の連携によるパーソン・センタード・ケア(PCC)をめざした発展的評価が及ぼす効果を明らかにすることである.方法:2016年9月~2017年8月に介護老人保健施設においてDCMを実施し,医療職・福祉職を対象にアンケート調査とフォーカス・グループインタビュー調査の両方による混合研究法を用いて調査した.なお,狭義ではケアスタッフは看護職・介護職をいうが,本研究では,医師・理学療法士・作業療法士の医療職もケアスタッフとしてDCMに取り組んだ.結果:対象者は合計24名,施設経験年数7.2年であった.介護職の仕事有能感尺度の下位尺度の仕事上の予測・問題解決,PCCに対する自己効力感の最終評価が有意に改善していた.フォーカス・グループインタビューの結果,「マッピングの展開を通してケアスタッフの気づきや高齢者の変化」「マッピングに対するケアスタッフの肯定的な感情」「マッピングに対する否定的な感情」「マッピングの有効性と効率化の必要性」「参加者のマッピングの時の状況やマッピングの期間」などの6つの大カテゴリーに分類された.結論:医療・福祉職の連携によるDCMの発展的評価はPCCの自己効力感を向上させ,問題解決能力を改善した. |
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| ISSN: | 0300-9173 |
| DOI: | 10.3143/geriatrics.58.70 |