酸化,糖化の抑制による白内障予防に関する研究

白内障の発症には酸化・糖化ストレスが関与し,水晶体の抗酸化酵素(Catalase,Prdx6など)の低下が活性酸素の蓄積を促し,白内障を進行させる.また,糖化ストレスによるAGEs蓄積も白内障を悪化させる要因である.本研究では,白内障の一つである加齢白内障メカニズムを解明すべく,遺伝性白内障モデル動物Shumiya Cataract Rat(SCR)を用い,遺伝子発現解析を実施した.SCRでは白内障発症に関連する遺伝子(Hsf4,Tdrd7など)の発現低下が確認された.さらに,抗酸化・抗糖化作用をもつルテイン+ヒシエキス(LU+TBE)の白内障抑制効果をSCRで検討し,水晶体混濁の進行が抑制さ...

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Published in日本白内障学会誌 Vol. 37; no. 1; pp. 7 - 10
Main Author 石田 秀俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本白内障学会 2025
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ISSN0915-4302
2188-613X
DOI10.14938/cataract.37-003

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Summary:白内障の発症には酸化・糖化ストレスが関与し,水晶体の抗酸化酵素(Catalase,Prdx6など)の低下が活性酸素の蓄積を促し,白内障を進行させる.また,糖化ストレスによるAGEs蓄積も白内障を悪化させる要因である.本研究では,白内障の一つである加齢白内障メカニズムを解明すべく,遺伝性白内障モデル動物Shumiya Cataract Rat(SCR)を用い,遺伝子発現解析を実施した.SCRでは白内障発症に関連する遺伝子(Hsf4,Tdrd7など)の発現低下が確認された.さらに,抗酸化・抗糖化作用をもつルテイン+ヒシエキス(LU+TBE)の白内障抑制効果をSCRで検討し,水晶体混濁の進行が抑制され,抗酸化酵素の発現が増加することや,AGEs蓄積も抑制され,白内障進行遅延に有用である可能性が示された.
ISSN:0915-4302
2188-613X
DOI:10.14938/cataract.37-003