経皮的椎弓根スクリュー(PPS)による脊椎後方固定術を行った化膿性脊椎炎症例の検討

【はじめに】当科では,保存療法に難渋する化膿性脊椎炎に対して,まず侵襲の少ない後方固定術を行い,感染コントロールが不十分もしくは骨欠損が大きいようであれば前方掻爬固定術を追加する方針としている.2018年から2023年に経皮的椎弓根スクリュー(percutaneous pedicle screw: PPS)を用いて外科的に治療した化膿性脊椎炎8例を経験したので報告する.【方法】症例は全例男性,年齢は平均63.0歳,追跡期間は平均17.6か月,手術前の待機日数は平均67.4日であった.6例に既往症(糖尿病3例,肝硬変,悪性腫瘍各2例,関節リウマチ1例)があった.【結果】手術は全例でPPSを使用し...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 73; no. 2; pp. 219 - 222
Main Authors 大城, 裕理, 金城, 英雄, 津覇, 雄一, 藤本, 泰毅, 山川, 慶, 當銘, 保則, 島袋, 孝尚, 西田, 康太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2024
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.73.219

Cover

More Information
Summary:【はじめに】当科では,保存療法に難渋する化膿性脊椎炎に対して,まず侵襲の少ない後方固定術を行い,感染コントロールが不十分もしくは骨欠損が大きいようであれば前方掻爬固定術を追加する方針としている.2018年から2023年に経皮的椎弓根スクリュー(percutaneous pedicle screw: PPS)を用いて外科的に治療した化膿性脊椎炎8例を経験したので報告する.【方法】症例は全例男性,年齢は平均63.0歳,追跡期間は平均17.6か月,手術前の待機日数は平均67.4日であった.6例に既往症(糖尿病3例,肝硬変,悪性腫瘍各2例,関節リウマチ1例)があった.【結果】手術は全例でPPSを使用した脊椎後方固定術が行われた.CRP正常化までの期間は術後平均25.8日であった.最終経過観察時,感染コントロール目的の追加手術はなかった.【まとめ】本研究では比較的早期に感染所見が改善した.PPSによる後方固定術は化膿性脊椎炎の治療に有効であると考えられる.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.73.219